【もっと読む】「子子子子子子子子子子子子」の読み方は?
日本語でもたくさんの言葉が略されるように、英語もたくさんの略語で溢れている。その中には「OMG」(Oh My God)や「VIP」(Very Important Person)のように明らかなものもあるが、日常的に使っているのに何の略かあまり知られていない言葉もある。
例えば、「a.m.」や「p.m.」が何の略語か聞かれても、答えられない人も多いだろう。(ラテン語で「正午前」を意味するante meridiemと「正午後」を意味するpost meridiemの略だ)
では、多くの人が1日に何度も使う「OK」という言葉はどうだろう?何の略語か、あなたはご存知か?
OKの由来にはいくつか説があるが...
私たちは通常、同意、合意、受諾を意味するためにOKを使う。また、形容詞や副詞として何かが十分であることを示唆したり、動詞や名詞として承認や許可を表したりもする。
OKは今や、日本も含め、世界中の数えきれないほどの言語で使われている。
それほどOKが一般的に浸透しているにも関わらず、周りの友人や同僚にこれが何の略語か聞いてみたところ、誰1人として答えられなかった。
これは驚くべきことではない。OKの意味や由来には様々な説があり、語源研究者でさえ長年解明できずにいたのだ。
しかし、たくさんの説の中でも言語学者の間で最も広く受け入れられているのは、語源研究者で辞書編集者、故アレン・ウォーカー・リード氏による説だ。
意図的なスペルミスだった
コロンビア大学の教授であったリード氏は、1963年と1964年に学術雑誌『American Speech』に掲載された記事の中で「OK」の歴史を検証し、「all correct(全て正しい)」を意図的にスペルミスした「oll korrect」に由来すると結論付けた。
語源研究者のバリー・ポピック氏はハフポストUS版に、「リード氏は、ポストン・モーニング・ポストでこのスペリングがジョークとして共有されていたことを発見したのです。OKは『all correct』のこと。本来なら『AC』となるはずですが、それがジョークなのです」と話した。
実際、OKがこの意味で初めて公で使われたのは、1839年3月23日発行の新聞「ボストン・モーニング・ポスト」だった。文中には、「o.k. — all correct —」と書かれている。
その後「o.k. — all correct —」というフレーズは、数日から数週間後も同紙で使われ、瞬く間に他の新聞にも広がった。
こうした意図的なスペルミスや略語は、coolの代わりにkoolと書いたり、略語LOL(laughing out loud=大笑い、の略)を使ったりと、最近の言語学の流行に似ている。語源研究者
辞書編集者でWall Street Journalのコラムニストであるベン・ジマー氏によると、アメリカでは1830年代〜1840年代に様々な創造的な言葉が生まれたといい、「OKは、当時アメリカやイギリスで流行っていた略語遊びから生まれました。コミカルなスペルミスと、略語という2つのトレンドを組み合わせたなんて面白いですよね」と述べた。
当時のスペルミスの略語は他に、KY(「know yuse」の略で、「no use=役に立たない」を意味する。ここでは日本語の「空気読めない」の略ではない)などがあった。
ジマー氏によると、実はボストン・モーニング・ポストにはOKの前に「OW」が登場しており、これは「all right」のスペルミス「oll wright」からきているという。
政治的影響も?
しかし、OKがここまで一般化したのは政治の影響があるのかもしれない。
ジマー氏によると、1840年の大統領選挙期間中に使われたマーティン・ヴァン・ビューレンの愛称「Old Kinderhook(オールド・キンダーフック)」がOKの由来だと思われていた時期もあったという。「OKが選挙中に使われていたこともあり、ヴァン・ビューレン陣営から始まったとも思われましたが、実は彼らはボストンの新聞から来た言葉に便乗していただけだったのです」
このように、1830年代の言葉遊びから誕生した言葉「OK」が、今やアメリカや英語圏以外の国でも日常的な言葉として定着していることは驚きだ。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。