「ここに住めますか?」IKEAがイギリスで“カビが生えた部屋”を展示。その意図は…

「ここに住めますか?」とのメッセージと共に展示されているこれらの部屋には、重要な意味が込められている。
イギリスのIKEAストア内に展示されている「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」
イギリスのIKEAストア内に展示されている「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」
IKEA UK

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おしゃれなデザインと優れた機能性で知られる家具メーカーIKEA。そのストア内には、誰もが憧れるようなモデルルームが並ぶ。

そんなIKEAのイギリス店舗にこの3月、お世辞にも「住み心地が良さそう」とは言えない殺風景で不衛生な部屋が現れた。

実はこれ、イギリスで住居難に苦しみホームレス状態にある人々の一時的シェルターを再現した「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」なのだ。

イギリスでは今、人々が生活費高騰に苦しんでいる。調査によると、国民(大人)の21%が住居を失うのではないかと不安を感じており、17%が家賃を支払う為に食事を抜いているという。また、ロンドンでは58人に1人がホームレスだという。

IKEAと慈善団体Shelterはこの住居難に対応するため、2030年までに9万戸の公営住宅の建設を求めており、今回設置された「現実の部屋」はこの問題の現状を強調するための取り組みの一部だ。

IKEA Shelter 「現実の部屋(リアルライフ・セット)」
IKEA Shelter 「現実の部屋(リアルライフ・セット)」
IKEA UK
IKEA Shelter 「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」 Sam's Story
IKEA Shelter 「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」 Sam's Story
IKEA UK
IKEA Shelter 「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」 Kate's Story
IKEA Shelter 「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」 Kate's Story
IKEA UK
IKEA Shelter 「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」Sam's Story
IKEA Shelter 「現実の部屋(リアルライフ・ルームセット)」Sam's Story
IKEA UK

「あなたはここに住めますか?」というメッセージと共に展示されている「現実の部屋」は、実在する人々のストーリーを元に再現されており、狭い部屋に家族数人で詰め込まれ、壁にはカビが生え、窮屈で不衛生でな生活をしている様子が窺える。またウェブサイトには実際の住人の話が掲載されており、シェルターで暴行された経験やプライバシーの欠如について語られている。

こうしたシェルター施設は一時的に滞在するためのものだが、公営住宅不足から、実際には何年も住んでいる家族もいるのが現状だという。

展示は、イギリスでホームレス率が最も高い地域に近いIKEA4店舗で実施されている。

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