国際女性デーの3月8日、参議院議員会館で「クオータ制を推進する会」が、「議席の半分に女性を!! どうする 各党!統一地方選」をテーマに院内集会を開いた。
7政党の幹部らが出席し、統一地方選に向けて女性の議員を増やすための取り組みなどについて説明した。自民党は出席しなかった。
公明党「統一地方選、33.8%が女性候補」
公明党の古屋範子副代表は、統一地方選に向けて、1555人の公認候補のうち、33.8%に当たる526人が女性候補だという。新人は全部で341人、うち約45%が女性の新人候補だと説明した。
「特に県や政令指定都市において、男性議員が勇退した後に女性候補が出る流れができています。これが国会議員に繋がる流れになるのではないか」
これまで1400回を超える「ウィメンズトーク」で多様な女性の声を聞き、生活支援や就労支援などを行ってきたと話す古屋氏。ハラスメント研修も国会議員から順次行うことで、女性議員が活躍しやすい環境を作っていきたいと語った。
立憲民主党「ジェンダー平等推進は党の綱領の中で掲げている」
立憲民主党の西村智奈美・代表代行/ジェンダー平等推進本部長は「党の綱領の中にジェンダー平等推進を掲げ、党の規約に基づいてジェンダ平等推進本部を設置している」と党のスタンスを示した。
「2022年の参院選では、公認候補者の5割が女性、そして実際に当選した当選者のうち、53%が女性でした。当選の可能性があるところで女性候補を立てたのが成果につながったのではないかと思います」
統一地方選では、公認候補780人のうち、女性は29.7%。東京都だけで見れば女性比率が42%だとして、「女性の声が政治を変える、をスローガンに、さらに動きを広げていきたい」と語った。
国民民主党「統一地方選、女性は19%。目標は35%」
国民民主党によると統一地方選では246人を擁立、そのうち女性は46名で19%だという。同党の矢田稚子・男女共同参画推進本部長は「35%が目標なので、頑張りたい」と話す。
「女性候補を擁立するために、党首自らが全都道府県を回って街宣活動をしながら、一生懸命探しています。また、子育てや仕事、介護などで忙しい女性も立候補できるよう、朝晩の街宣の時にサポートをする制度などを用意しています」
また、オンラインで相談できるネットワークを作ったり、ハラスメント対策を行っていくという。
れいわ新撰組「初の統一地方選、擁立候補のうち女性は32%」
れいわ新選組の櫛渕万里・共同代表は「統一地方選挙で地方から女性議員の数を確実に増やしていくうねりを作りたい」と語った。
「党にとって初めての統一地方選。全体で82人を擁立する予定で、うち32%にあたる26人が女性です」
また、「障壁となる女性候補者へのハラスメントは見逃せない」と指摘し、各党の取り組みだけでなく、制度としてしっかり救済の仕組みを作ることを訴えた。
日本維新の会「男女の比率をできるだけ縮めることが時代の要請」
日本維新の会の高木佳保里・ダイバーシティ推進局長は「やはり男女の比率をできるだけ縮めることが時代の要請。しっかりと我が党も頑張っていきたい」と話した。
「地方議会で、女性議員がゼロ、または一人のみのいわゆる“ゼロワン”議会は約4割。候補者擁立をしっかりとやっていかなければならないと思っています」
日本維新の会は、男性も女性も対象に、ベビーシッターや一時保育の預かりなど、女性の政界進出のサポートをすると表明した。
日本共産党「統一地方選、47%が女性候補」
日本共産党の田村智子・政策委員長は、「統一地方選の候補者は1367人中566人が女性。比率で言うと41.1%」だと説明した。
「前半戦の道府県議と政令指定都市の選挙では、女性比率47%と、半数まであと一息というところ。国際女性デーが『パンと平和と参政権』を掲げてきたように、軍拡路線にストップをかけていきたい」
また、自治体でパートナーシップ制度が広がっている動きなどに触れ、「同性婚、選択的夫婦別姓など、地方議会が声を上げることで国政を動かせる」とエールを送った。
社会民主党「女性の政界進出が増えれば、政治の優先順位が変わる」
社会民主党の福島みずほ代表は「統一地方選には数十名の候補者を予定していますが、女性は3割。もっと女性比率を上げていきたい」と語った。
「女性が政治に進出すれば、例えばDV防止法の時のように、政策の優先順位が本当に変わります」
また、選択的夫婦別姓や同性婚、LGBTQ差別禁止法をはじめ様々な人権に関わる法律がなかなか通らない現状に触れ、「たくさんの女性を当選させて、大きなうねりを作っていきたい」と意気込んだ。
国の方向性を決める委員会、女性「ゼロワン」が多い
上智大学の三浦まり教授は、国の方向性を決めるような重要な委員会の多くに、女性がゼロまたは一人しかいないことを指摘。
女性ゼロの委員会は、「環境委員会」、「懲罰委員会」、「政治倫理委員会」。女性が一人だけの委員会は、「財務金融委員会」、「安全保障委員会」、「議院運営委員会」、「政治倫理特別委員会」、「情報監視委員会」だという。
「あらゆる政策にジェンダーの視点を入れる『ジェンダー主流化』を進めていくためには、ジェンダー主流化を進めるための特別委員会の設置と、議院運営委員会にジェンダーに配慮した議会運営のための小委員会を設置することを検討するべきです」(三浦まり教授)