緑色が鮮やかで小さくコロッとした姿が愛らしい、芽キャベツ。見た目はキャベツをミニサイズにしたようですが、キャベツとは品種が異なるそうです。今が旬の芽キャベツについて、詳しい話を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
芽キャベツはキャベツの「芽」ではない
芽キャベツという名前から、芽キャベツは若いキャベツの「芽」ではないかと思っている人も多いのではないでしょうか。
「芽キャベツは一般的なキャベツとは異なる品種です。キャベツは株の中央の芽が結球しますが、芽キャベツは茎と葉の付け根にある”わき芽”が結球して成長。『コモチカンラン(子持甘藍)』(カンランとはキャベツのこと)の別称の通り、長く伸びた茎の葉の付け根に鈴なりにつくのが特徴です。
1株でミニサイズのキャベツの玉が50~70個ほどもできるので、旬の今頃は茎の付け根にびっしりついている姿を見ることができます」(吉田さん)
旬の時季は甘み倍増
旬の時季は甘み倍増芽キャベツというと、ほろ苦くてちょっと苦手、という声も聞きます。
「芽キャベツはキャベツに比べるとややアクがあり、それがほろ苦さになっています。ただ、今の時季は寒風にさらされてアクが少なく、甘みがぐっと増してきます。
また、加熱することにより甘みが引き出され、食感も柔らかくなって美味しくなります。特にシチューなどの煮込み料理にするとキャベツと違って形が崩れにくく、苦みはほとんどなくなるので、おすすめです」(吉田さん)
小さくても栄養価はキャベツの4倍
小さな姿に似合わず栄養価も高いそうです。
「芽キャベツにはビタミンCが、なんとキャベツの4倍も含まれていて、野菜の中でもトップクラス。その他にカロテン、カリウム、ビタミンB2、食物繊維も豊富に含まれていて、とても栄養価の高い野菜なのです。
選ぶ際には、緑色がより濃く、巻きが固くてよく締まったものを見つけてください。また保存はポリ袋に入れて野菜室に入れます。固ゆでしてから冷凍保存もできるので、シチューなどを作る際には解凍せずにそのまま入れても大丈夫です」(吉田さん)
緑鮮やかで、見た目もかわいい芽キャベツは、料理を春らしく華やかに見せてくれます。栄養も豊富な芽キャベツを美味しくいただきましょう。
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