「自分の人生なんだ。好きなようにやりな」
「思いは届く。君は何にでもなれる」
「さあ、行っといで」
福島県南相馬市が、18歳の市民に向けた応援メッセージポスターを公共施設や商業施設に2月20日から貼り出しました。「熱い」「涙が出る」とSNS上で話題になっています。
このポスターは、2022年度から始まった南相馬市の「巣立ち応援18歳祝い金支給事業」に合わせたものです。南相馬市の18歳の市民を対象に祝い金5万円を支給する独自の子育て支援制度で、同市は「東北初の取り組み」と紹介しています。
応援ポスターには、6人の“まちの人”からのメッセージが、見慣れたまちの風景とともに映し出されています。
JR原ノ町駅の駅員・柴田悠さんは、「自分の 『好き』に向かって進め。バカバカしいことも無駄じゃない。常識の外にも道はある」という力強いメッセージを、電車通学の高校生が使う駅のホームをバックに伝えています。
原町あずま保育園の佐藤早知恵さん、岩橋千暁さんは「大変なことを乗り越えて大きくなった、だからこの先も大丈夫」と年長さんたちとともにエールを送りました。
「2011年に年長さんだったみんな。困難を、みんなは乗り越えてきた。これから何かあっても、きっと乗り越えられるからね」
高校生もよく通う街のラーメン屋「へうげもの」の店長・上村公一さんは「思いは届く、君はなんにでもなれる」「突き進むのをやめたら叶わない。現実に押しつぶされそうな時は、いつでもラーメン食べにおいで」と応援メッセージを寄せました。
Twitterには、「熱いメッセージに泣いた」「若者を囲い込む自治体が多い中、このメッセージは響く」「地元ってこうあってほしい」など、多くの感動の声が寄せられていました。
同市はポスターのキャッチコピー「さぁ、行っといで」について、「市内に残る人、市外に出る人、全ての18歳に向けての言葉です。成人の門出を迎え、新しい環境に踏み出す彼らへ『地域社会全体でみなさんを応援しているよ』という想いを込めました」とコメント。
また、事業を担当する南相馬市こども家庭課はnoteを開設。その理由は「祝い金を送って『はい、終わり。』にしたくない」からだと綴っています。
「ポスターもずっとは貼っておけないし、市外に出てしまえば普段目にすることはなくなってしまうけど、みなさんを応援する気持ちはずっと変わらない。そんな想いからこのnoteを作りました」
【訂正】当初、「福岡県南相馬市」と書いていましたが、「福島県南相馬市」に訂正しました(2023/2/26 13:29)