もし仕事へのやる気をなくし、モチベーションを上げたいと思っているなら、新たなワークトレンドである「静かなやりがい(Quiet Thriving)」を取り入れてみてはどうだろう?
これは、最低限の仕事だけこなし、それ以上頑張らない「静かな退職(Quiet Quitting)」や、出世や収入向上などの上昇志向を放棄し生きていく「諦め(Let it rot)」とは違う。その逆だ。かといって、身を粉にして働くことでもない。
ワシントン・ポスト紙への寄稿記事の中で「静かなやりがい」という言葉を生み出した、心理療法士のレスリー・アルダーマン氏によると、この新たなトレンドはウェルビーイングに焦点を当て、人々に「特定の行動をすることで気持ちをシフトさせ、仕事によりやる気を起こす」ことを奨励するものだという。
そして、これこそが今、私たちが必要なことだ。
2022年9月に発表された「State of the Global Workplaceレポート」によると、 世界140カ国以上の労働者のうちやる気を持って仕事をしていると答えたのはわずか21%で、ウェルビーイングに相対的に満足していると答えたのは33%だけだった。
では、実際にこのトレンドを取り入れるにはどうしたらいいのだろうか?ここに7つのアドバイスを紹介しよう。
1. 考え方をリセットする
重要なカギは、自分の仕事そのものに対する考えをよりポジティブに変えることだ。
イギリスの大手医療慈善団体Nuffield Healthでエモーショナルヘルスを担当するゴシア・ボウリング氏は、「1日の始まりにネガティブな考え方で仕事に取り組むと、仕事の良い部分を見過ごし、嫌な面しか見えません。視点を変えることで、毎日の仕事に大きな意味を持たせることができます」とメトロ紙で述べている。
2. もっと楽しむ
あまり健全とは言えない習慣を、昼休みに運動するなど、よりポジティブなものに置き換えて、やる気を出すようにしよう。
アルダーマン氏は、毎日業務時間中に10分間楽しいことをする「ファン・ブレイク」をとることを勧める。研究では、休憩後の生産性を上げることが示されているという。
3. 友人をつくる
同僚ともっと親交を深め、よりリラックスし楽しい環境を作るのも良いだろう。大きな組織で勤務する人は、職場のグループや委員会に参加すると、より多くの人と知り合うことができる。
4. 信念を持つ
仕事において自分が重要だと思っていることを見つけ、上司に変化を提案し、「友好的で協力的に」相談することをアルダーマン氏は勧める。それは、勤務スタイルについてであったり、会議の時間削減についてであったりするかもしれない。必要としている変化を支持し、アクションを起こそう。
5. 職務内容を自ら作る
自分の職務の中で最も好きな仕事に集中したい、と上司に相談し、仕事を自分にとってより魅力的にするための努力をするようボウリング氏は提案する。
それにより、仕事に対する姿勢が改善されるだけでなく、「自分が楽しめる仕事を達成する機会が増え、上司に自分の強みをより理解してもらえる」という。
6. 仕事とプライベートを区別する
仕事に人生を奪われないよう、自分自身を大切にし、仕事とプライベートの間に境界線を引くことが大切だ。
例えば、昼休みはしっかり取り、業務時間以外はメールを見ないようにしたり、仕事以外の趣味を積極的に見つけて、仕事について考えない時間を作ろう。
7. 達成するまで成果を公言しない
キャリア・リーダーシップコーチのピッパ・ラクストン氏は、「静かなやりがい」は他の誰かに期待されることなく自身のやる気を起こすことが重要だという。
「目標を周りと共有すると、無意識にすでに達成されたと思い込むことがあります」とラクストン氏はメトロ紙に述べている。そのため、実際に目標を達成するまで周りに言わないことを勧めるという。