「天気いいからベランダで過ごしてて、ふと振り向いたらこうなってた」
そんな一言とともにTwitter上に投稿された1枚の写真が大反響となっている。ベランダから部屋を振り返り、閉ざされた網戸を写した光景に、1万件以上のリツイートと7万件以上の「いいね」が殺到。その理由とはーー
網戸の上部にへばりつくようにして、こちらをじっと見つめる1匹の猫。4本の足を目一杯に広げ、静止して踏ん張っている様子だ。表情は凛々しい。
この1枚に、「スパイダーニャン、かわいい」「かっこいい…!忍者?!」「キメ顔がイケメンすぎて笑う」「スマートでしなやかな身のこなし」などと絶賛する声が相次いだ。
ハフポスト日本版は、写真を投稿した飼い主、上坂あゆ美さん(歌人・エッセイスト、著書『老人ホームで死ぬほどモテたい』)に詳しい話を聞いた。
上坂さんによると、「スパイダーニャン」になった写真の猫は、7歳のメス、衣(ころも)ちゃん。7年前、子猫だった頃から上坂さんとともに暮らしているという。「クールで気品があるものの、飼い主への愛が重すぎる子」だそうだ。
写真を撮った日は天気が良く、上坂さんはベランダでコーヒーを飲みながら一服していたという。ふと振り返ると、網戸にへばりついて、上坂さんをじっと見つめる衣ちゃんがいた。
「衣ちゃんは私がそばにいないと怒ってしまうほど、飼い主を愛してくれています。『(ベランダから部屋に)早く戻って来いよ』と思いつつ、外にいる私のことを心配してくれていたのでしょう。
なんだか必死そうな様子に、笑ってしまいました」
衣ちゃんはこのあと、「腕の力が尽きたのか、床に落ちた」という。しばらくしてから部屋に戻った上坂さんと、一緒に遊んで過ごしたそうだ。
今回、「スパイダーニャン」と化した衣ちゃんの写真をめぐっては、上坂さんを見つめる凛々しい表情にも注目が集まった。
「衣ちゃんの顔を『イケメン』と言ってくれるコメントが多かったのですが、実は女の子です。でも、私も衣ちゃんはかっこいいと思うので、『わかる~』って感じでした」
上坂さんは衣ちゃんだけでなく、6歳のオス、糸(いと)くんも飼っている。
「総重量が10キロを超える2匹の猫が、冬は毎日私の腕枕で寝ています。肩と背中に限界がきていますが、猫がいると『頑張って働こう』と思えます。猫たちができるだけ幸せに暮らせているといいなと思っています」
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉