ユニクロやGUを運営するファーストリテイリングが2023年3月に報酬を改定し、最大で約40%の年収アップを行うと発表した。同社は発表資料で「海外に比べて報酬水準が低位に留まっている日本において、報酬テーブルを大幅にアップする」としている。
多くの企業で賃上げについて話し合われる春闘が本格化するのを前に、国内からは「先陣を切ってくるあたりはさすが」、「うらやましい限り」といったポジティブな反応が見られる。海外ではこのニュースはどう見られているのか。
ファーストリテイリングは「グローバル水準をめざす」として、新入社員の初任給を現在の月25万5000円から30万円に引き上げる。入社1〜2年目で就任する新人店長は月収29万円から39万円にする。従業員全体の年収アップ率は数%〜約40%になるという。
海外メディアもこの賃上げについて取り上げている。イギリスのフィナンシャルタイムズは「ユニクロ運営会社、インフレ上昇に伴い日本で賃金4割アップ」という見出しで、「岸田文雄首相が日本企業に何十年も停滞している賃金を上げるように呼びかけており、それに従うものだ」と報じている。他にも「ユニクロ: ファッション大手、日本で最大4割の賃上げ」(BBC)、「日本のユニクロ、脅威の賃上げ4割」(フランスのフィガロ)などと配信されている。
世界でも知られる日本の大企業による大幅賃上げのニュースに、インターネット上ではどんな反応が出ているのか。
各記事へのコメントには「裕福な国のわりには賃金が低そう」や「賃上げ後にしても先進国の賃金にしては特別高いわけではない」などの声が並ぶ。「時給にすると13ドル(1700円)ぐらいか。米西海岸のシアトル辺りのマクドナルド従業員の賃金を大きく下回る」という指摘や「歓迎すべきニュースだが、企業がこれだけ少ない初任給で許されるというのが驚き。賃上げ後の初任給は1997年のアメリカの大卒者と同じぐらいだ」という驚きの声も出ている。