1月6日の金曜ロードショーで放送される宮崎駿監督の『ハウルの動く城』。
魔女の呪いで90歳の老婆に姿を変えられてしまった18歳のソフィーと、「動く城」に住む美しい魔法使いの青年・ハウルとの不思議な恋の物語です。
公開当時のパンフレットやこれまでの発信から、ハウル役・木村拓哉さんやソフィー役・倍賞千恵子さんらが起用された背景や、アフレコでの木村さんの驚くべき行動、キャラクターのモデルになった人物などについて紹介します。
キャスティング秘話。ハウルの「行動原理がわからない」と漏らしていた宮崎監督
公開当時のパンフレットによると、宮崎監督は絵コンテを描く際、キャラクターの声を演じる人を思い浮かべながら描くことがあるそう。『ハウルの動く城』では荒地の魔女役を務めた美輪明宏さんや、マルクル役を演じた神木隆之介さんは元々イメージがあり、キャスティングにつながったそうです。
一方、ハウルについては宮崎監督自身が「行動原理がわからない」と漏らし、キャラクターが掴めていなかったのだとか。そうした中で木村さんがキャスティングされた理由について、鈴木敏夫プロデューサーは「ハウルの声は木村さん以外にありえませんでした。娘がいいと言いました」とスタジオジブリの公式Twitterで明かしています。
ちなみにソフィー役の倍賞千恵子さんのキャスティングについては、18歳から90歳までを1人で演じるべきだという宮崎監督の希望もあって難航したそう。ただ、鈴木プロデューサーはスタジオジブリのTwitterで「宮さんが大ファンだったからです。隠してるけど(笑)」ともコメントしています。
木村拓哉さん、アフレコ現場に台本を持たず現れる
さらに鈴木プロデューサーは、木村さんのアフレコ時に印象的だったエピソードを問われ「台本を持たずにアフレコの現場にきて、最後まで演じきったことです」とTwitterで回答。
2021年4月のこのツイートは大きな話題となり、12.8万件のいいねが寄せられ「かっこいい…」「さすが」など感嘆の声が集まりました。
ちなみに、ハウルの行動原理がわからないと言っていた宮崎監督は、アフレコの初日に木村さんが声を演じた途端、「ハウルってこういう人だったんですね」とコメントしたそう。パンフレットでは「木村さんの声によって、宮崎監督のハウルは完成した」とまとめています。
あのキャラクターのモデルは?
キャラクターのモデルについても、鈴木プロデューサーは言及しています。
ソフィーに懐く謎の犬・ヒンについて「モデルになったのは押井守監督と聞きましたが、本当ですか?」という質問には、「本当です。顔がソックリでしょ(笑)」と回答しました。比べると、確かに似ているような。
宮崎監督と鈴木プロデューサー、押井監督は旧知の仲。押井監督は宮崎監督について、「あの人って最初に企画を喋ったりする時とか、最初の段階では色々やばいこと考えてる」などと語っていたこともありました。
さらに、ソフィーのモデルは宮崎監督の母親、ハウルは「自分(※筆者注・宮崎監督のこと)の理想の姿」だともコメント。
宮崎監督の母親は『天空の城ラピュタ』に登場する女空賊のドーラのモデルにもなっており、宮崎監督は「兄弟男ばかり4人そろってもおふくろには太刀打ちできなかった」としています。
ハウルは宮崎監督の理想、という意外な事実も「監督可愛いな」などと大きな話題になりました。