12月16日に公開された映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。2009年公開の1作目に続く今作は、全世界週末興行収入4億3500万ドル(約591億円)を記録し、好スタートを切っている。日本でも多くの注目が集まっている。
その上映時間は3時間12分。最近では劇場公開される作品の多くが2時間弱程度だが、同作は3時間以上と比較的長い。
すると、人によって懸念となるのが、「途中でトイレ行きたくなってしまう」という問題だ。もちろん、一度も離席することなく物語に集中することができればベストだが、どうしてもそうもいかないという人もいるだろう。
本作の監督を務めたジェームズ・キャメロンはこれに対し、ユーモアあふれる答えを出している。映画の「途中休憩」をめぐる歴史とともに紹介しよう。
途中の休憩時間、インターミッションとは?
そもそも、映画館や劇場で「作品の上映時間が長い」などの理由で途中で設けられる休憩時間のことを『インターミッション』という。これが設けられる作品は、非常に昨今では少なくなっている。
この休憩は鑑賞者のお手洗いの為の時間だけでなく、上映用のフィルムのリール交換という技術的な目的もあったが、現在ではフィルムを使わないデジタル上映が普及したため、徐々に少なくなったという見方もある。
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のように、上映時間が3時間を超える作品であっても、今では途中の休憩が入らないことが多い。
インターミッションが設けられていた作品は多い。公開年と上映時間とともに例を挙げれば、洋画では『風と共に去りぬ』(1939年公開222分)、『ゴッドファーザー PART II』(1974年公開200分)、邦画では『七人の侍』(1954年207分)、 『沈まぬ太陽』(2009年公開202分)などがある。
巨匠・ジェームズ・キャメロンの“粋な回答”とは
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の上映時間は3時間12分。3時間半を超えないまでも、途中でトイレに行きたくなってしまう人もいる。
実際、SNSでは「正直、途中でめっちゃトイレに行きたくなった」「長すぎて途中でトイレ行ってしまったのが悔やまれる」「トイレ行きたすぎて集中できなかった」という声も複数あるのだ。
もちろん、制作側もそれはわかっているようだ。
ジェームズ・キャメロン監督は、海外メディアの取材に対し、途中でトイレに行くタイミングについて「いつでも好きなときにどうぞ。(だって、)見逃したシーンはもう一度見に行ったときに見ることができますからね」と返答したという。
「2回以上見てほしい」というメッセージや作品に対する自信の裏返しと受け取ることもできる。
配信ストリーミングサービスで視聴できるようになるのは、まだ先だろう。こだわりの映像美を劇場で見たいというファンは多いはずだ。これから鑑賞される皆さん、少なくとも上映が始まる前に一度はお手洗いに行っておきましょう。