原材料価格やエネルギー価格が高騰し、食品や光熱費の値上げが相次いだ2022年。円安も進み、海外旅行や輸入製品は割高になった。家計にとっては厳しい状況だが、工夫をこらすことで約半数の人が家計を改善させたことがマネーフォワードの調査でわかった。
金融IT企業のマネーフォワードが、家計簿アプリ「マネーフォワードME」(利用者数1370万人)を使っている人を対象に「お金の意識調査2022」を実施。9727人の回答をまとめた。
物価上昇と円安によって支出が増えた項目は、割合が多かった順に食費(日ごろの食料品)、水道・光熱費(電気代、水道代、ガス代など)、外食費(外食、カフェなど)となった。
一方で、減らした項目を割合の多い順に見ると、外食費、交際費(飲み会、プレゼントなど)、趣味・娯楽費(旅行、映画、音楽、ゲームなど)となり、普段通りにしていると支出が増えるからこそ我慢して減らしている努力が見て取れた。
家計が改善したと答えたのは45.2%にあたる4394人で、月平均の改善額は2万3426円だった。意識したこと(複数回答可)は多かった順に、日ごろの支出(85%)、プラン変更や格安SIM利用など携帯電話料金の見直し(42%)、年会費や月額費のかかるサービスの見直し(40%)だった。
「ポイント還元率にあわせた決済手段で買い物する」「家庭菜園にチャレンジし、毎月1万円ほど食費を浮かした」「自分が使いきれる量でストック買いをしっかり行う」という人もいた。
この調査の結果について、ファイナンシャルプランナーの福島佳奈美さんは「買い物に行って値上げを感じ、家計簿アプリを使うことでさらに実感していることが家計改善につながっている」とみる。
福島さんは「傷みやすい生鮮食品を安いからといって買い過ぎて腐らせないなど支出を抑える余地がある人もいるのでは」と話す。生活防衛からかふるさと納税で申し込む返礼品にも変化が出ているという。福島さんは「必需品として買っているティッシュやトイレットペーパーなどの日用品をふるさと納税で選ぶのも工夫の一つだ」と話す。