ふたご座流星群を見逃した人へ。「火球」をバッチリ捉えた映像と写真に、宇宙のロマンが詰まっていた

ふたご座流星群の母天体は、実は謎に包まれた小惑星でした。

三大流星群のひとつで、最大の流星数を誇ると言われているふたご座流星群。

平塚市博物館の天文担当学芸員、藤井大地さんは2夜連続でふたご座流星群を観察。15日未明や13日夜の「火球」の撮影動画をTwitterに投稿しました。

2022年12月15日1時45分36秒に流れたふたご座流星群の火球を、富士から南向きのカメラで捉えた様子です。右側にも暗い流星が同時に流れています。#ふたご座流星群 pic.twitter.com/bekObgUZLk

— 藤井大地 (@dfuji1) December 14, 2022

15日の深夜1時すぎに富士から撮影した動画では、画面上部から降り注ぐ大きな光が確認できます。

藤井さんは「ふたご座流星群は流星群の中では中程度の速度なので、比較的ゆっくり流れて見えるのが特徴です」とハフポスト日本版に説明しました。

さきほど、ふたご座流星群の大火球が直上を流れました!2022年12月13日20時3分34秒に流れたふたご座流星群の火球を、富士から天頂向きのカメラで捉えた様子です。まだ放射点が低いため、長く光り続けました。 pic.twitter.com/IMdbjcVYmJ

— 藤井大地 (@dfuji1) December 13, 2022

13日の夜8時に富士から撮影した映像では、画面右から左に向かって長く光り続ける「大火球」の様子が見られます。

今晩、いよいよふたご座流星群がピークを迎えます。2022年12月13日夜から14日朝に、平塚から北西と北に向けたカメラで捉えた流星を、それぞれ1枚の画像に比較明合成しました。一番明るかったのは、13日20時3分34秒に天頂近くを流れた火球でした。https://t.co/INWEg7HmNR#ふたご座流星群 pic.twitter.com/FJhwbxMoPs

— 藤井大地 (@dfuji1) December 13, 2022

藤井さんは、平塚から撮影した流星の数々を1枚の画像に合成した写真も投稿。夜空を流星群が駆け巡った様子が一目で分かります。

実はふたご座流星群の母天体は、「小惑星ファエトン」という謎に包まれた天体だそうです。

小惑星なのに彗星のような「尾」を持つ変わった天体で、JAXAが2024年度に打ち上げる予定の探査機「DESTINY+(デスティニー・プラス)」の目標天体でもあります。

藤井さんは、「探査機が行く前に、謎の星からやってくる姿を見たと言えますね」とコメント。ふたご座流星群に宇宙のロマンが垣間見えました。

ふたご群の母天体は小惑星ファエトンで、彗星状の尾を持つ変わった天体です。これはNASAのCAMSネットワークの観測に基づいて可視化された、ふたご座流星群の塵の動きです。水色が地球の軌道で、白い点はファエトンからばらまかれた塵です。https://t.co/e8tZGHbE8o pic.twitter.com/gSoKCp2l90

— 藤井大地 (@dfuji1) December 12, 2022

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