カタールで開かれているサッカーW杯。フランスがモロッコに2-0で勝利し、決勝の対戦カードが決まった。日本時間の12月19日午前0時から、アルゼンチンvsフランスの試合が行われる。
リオネル・メッシのキャリア初、アルゼンチン3度目の優勝か。エース・エムバペ擁するフランスの大会2連覇か。まさに、世界中のサッカーファンが待ち望むキックオフだ。
今大会で代表からの引退を明言しているメッシには、特に熱い視線が注がれるはずだ。そのメッシにアルゼンチン国営メディアのレポーターが伝えた“感謝の言葉に、大きな反響が広がっている。
その言葉には「メッシ」というプレイヤーの存在価値が集約されていた。
「伝えたいことがあるんです」。リポーターは切り出した
クロアチアを下した準決勝の試合終了後のインタビュー。メッシはアルゼンチン国営メディアの取材に対応した。女性のレポーターが伝えたのは、メッシへの心からの感謝だった。
レポーターは「最後に、これは質問ではないですが、伝えたいことがあるんです」と切り出した。メッシは静かに話を聞いている。
レポーターは続ける。「W杯の決勝がやってきます。もちろん、私たちは(W杯のアルゼンチンの)優勝を願っています。でもこれだけは伝えておきたいのは、どんな結果になろうとも、あなたが全てのアルゼンチンの人々のために成し遂げてきたことや事実は誰にも奪えないということです」。
その言葉を聞いた瞬間、メッシは少し微笑んだ。
心の底からの気持ちが伝わる言葉は、さらに次のように続く。
「アルゼンチンにあなたのユニホームを持たない子はいません。正規の店で買ったものではなく、偽物や模倣品、もしくは自分で作った手作りのものかもしれないですが。本当に、あなたの存在というものは、皆の人生に刻まれているのです。そしてそれは、私にとってW杯の優勝をも超えることなのです。それは、誰にも奪えない事実です。これは私からの感謝の言葉です。こんなにも多くの人々に幸せをもたらしていることを、どうか忘れないでください」
日本にも多くのファンがいるメッシ。SNSでは「泣いた。レポーターの気持ちわかる」「ヒーローに言いたいことはまさにこれ」「見ていて込み上げてくるものがあった」などと多くのコメントが寄せられた。
メッシは今大会で5ゴールを記録。フランスのエムバペと数で並んでいるが、キャリア初のW杯優勝のみならず、大会の得点王も狙える位置にいる。
アルゼンチン代表としての最後の試合がW杯決勝になるかもしれない。まさにこれ以上ない“舞台”が整った。偉大な背番号「10」。決勝ではその勇姿を目に焼き付け、しっかりと見届けたい。ありがとうリオネル・メッシ。