師走の忙しさに負けない体づくりのために、ヨーグルトの効果的な食べ方を、草間かほるクリニック(東京・麻布十番)の草間香院長に教えていただきます。
週に数回以上食べている人が半数以上
腸から体をいたわるため、食生活にヨーグルトを取り入れている人も多いのではないでしょうか。
ウェザーニュースが「ヨーグルトを食べる頻度」についてアンケート調査を実施したところ、男性は「ほぼ毎日」が31%、「週に数回」が20%で、女性は「ほぼ毎日」が40%、「週に数回」が23%という結果に。男女共に週に数回以上ヨーグルトを食べている人の割合が半数以上にのぼりました。
腸内フローラのバランスを改善
ヨーグルトにはどのような健康効果があるのでしょうか。
「特に注目すべきは、腸内環境をよくする効果です。人の腸内には数百種もの細菌が棲んでおり、その数は100兆個以上とされています。これらは『腸内フローラ(腸内細菌叢)』と呼ばれ、食べ物の消化や免疫機能を助ける、ホルモン分泌に影響するなど、健康に深く関わっています。
腸内フローラは、大まかに善玉菌、悪玉菌、どちらにも傾く日和見菌に分けられますが、そのバランスは年齢や体調、食べ物などの影響により変わります。ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌が含まれていて、腸内フローラの状態をよくするのに役立つのです」(草間先生)
腸のゴールデンタイムを活用
健康によいとされるヨーグルトですが、食べる時間帯や食べ方で効果が変わるといいます。
「腸の働きが活発になるタイミングは2つあります。ひとつは朝食後で、朝食を食べることで、起床後に初めて胃から大腸に刺激が伝わって活発になります。
もうひとつは、起床から15〜19時間後とされています。朝7時に起床した場合は、夜10時から午前2時までで、この時間帯は『腸のゴールデンタイム』と呼ばれています。この場合は、腸のゴールデンタイムに向けて、腸内の環境を整えておくことが大切です」(草間先生)
食べ方はどうでしょうか。
「おすすめはホットヨーグルトです。以前から、ヨーグルトは人肌程度に温めることで乳酸菌やカルシウムの吸収率がアップし、さらにヨーグルトの乳酸菌は40℃ぐらいが最も活性化するといわれています。
ホットヨーグルトを食べることで、腸内が温まって血流が良くなり、代謝が上がってお腹も温まり一石二鳥です」(草間先生)
ただし、注意点もあります。
「ヨーグルトが体によいといってもバランスが大切です。300〜500gの大容量パックを1人で毎日食べ続けたり、就寝前ギリギリに食べたりするのは胃腸への負担となり、かえって体調を崩す原因となります。量の目安は、市販のカップヨーグルトか、少し多めぐらいまでと考えるといいでしょう。
自分のお腹の調子と相談しながら調節することが大切です。また、ジャムなど甘味で食べる人は、糖分の取り過ぎにも注意しましょう」(草間先生)
ヨーグルト以外に効果的な食べ物は?
「発酵食品である納豆や漬物には、乳酸菌などがたっぷり含まれています。食物繊維の豊富なキノコ類やイモ類、海藻類なども、腸内環境を整えるのに役立ちます。ヨーグルトだけでなくこういった食品も意識して取り入れ、腸内から体をいたわってあげるとよいでしょう」(草間先生)
忙しい年末にかけて寒さも厳しくなり、健康管理が大切になってきます。ヨーグルトの食べ方や、食べるタイミングを工夫して、少しでも健やかに過ごしましょう。
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