サッカー日本代表は12月6日、カタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦する。
負ければ敗退、勝てば史上初のワールドカップベスト8進出が決まる日本サッカー史に残る一戦だ。
1次リーグを首位で通過した日本代表を待ち受けるのは、前回大会準優勝の強豪クロアチア。司令塔のモドリッチ選手を中心に安定した戦いを見せ、グループステージを1勝2分けと、モロッコに次いで2位で通過している。
森保ジャパンは前回大会のリベンジを果たし、史上初のベスト8進出なるのか?
放送日程
■12/6(火)決勝トーナメント1回戦 日本×クロアチア
会場:アルジャヌーブスタジアム
キックオフ時間:午前0時(日本時間)
▼放送時間
テレビ:フジテレビ(5日午後11時40分〜)
ネット:ABEMA(5日午後11時15分〜)
決勝T初戦、クロアチア戦の注目選手・ポイントは?
「死の組」と評されてきたグループEを首位で通過した日本代表。コスタリカに敗れたものの、強豪のドイツとスペインに勝利して積み上げた「勝ち点6」。その自信と誇りを胸に、ここからは“負けたら終わり”の戦いに挑んでいく。W杯で日本は決勝トーナメントでの勝利経験がない。勝って歴史を変えられるか。目の前の目標はベスト8(準々決勝)への進出だ。
日本の注目は堂安律選手。ドイツ戦とスペイン戦で共に「同点弾」を決めたのが、“背番号8”だった。FIFAランキングがそれぞれ日本よりも上の相手から奪ったゴール。堂安選手自身もスペイン戦の前に「逆境が好き」と語っていたが、そのコメントの通り、スペイン戦でも0-1と劣勢の後半の頭から出場して後半3分に同点弾を決めた。
堂安選手はゴールについて「もうあそこは俺のコースなので。絶対に打ってやると決めていた」と振り返っていた。決勝トーナメントに引き分けはない(延長で決着がつかない時はPK戦となる)。どんな相手でも、勝利するには「ゴール」が必要だ。そんな時、この自信に満ち溢れた発言と頼もしい姿に期待せずにはいられない。得意の左足のシュートがゴールネットに突き刺さる瞬間をまた見たい。
シュートだけではない。スペイン戦では自ら得点を決めた3分後、ペナルティーエリアの中で決勝点につながるパスを三笘薫選手に供給。それが後半6分の田中碧選手の勝ち越しゴールに繋がった。チャンスを作っていたのも堂安選手だった。クロアチア戦での先発起用はまだ不明だが、必ず、重要な場面で日本の力となるだろう。
対するクロアチアは前回のロシアW杯で準優勝だった。ちなみに、日本は2006年のW杯ドイツ大会のグループリーグで対戦し0-0と引き分けている。
2018年W杯ロシア大会の決勝ではフランスに敗れた。今大会は4年前の雪辱を果たすべく、まずは決勝トーナメント初戦で日本に勝ちにくる。グループリーグでは1勝2分けの2位通過だったが、第2戦ではカナダ相手に4-1と勝利。続く第3戦では、高い集中力で前回のW杯3位のベルギーとの対戦を0-0で引き分けた。この試合では特にベルギーのエースストライカーのロメル・ルカクに得点を許さなかったことが大きかった。その堅い守備も脅威となる。
注目選手は2人を挙げる。1人目はルカ・モドリッチ選手。MFとして卓越したボールコントロールを誇るクロアチアの主将は、前回大会の悔しさを晴らすべくピッチで躍動する。スペインの名門レアル・マドリードに所属する37歳のベテランは、2018年度のFIFA男子最優秀選手賞の獲得など、これまで数々の輝かしい経歴を持つ。
中盤で攻撃の良いリズムを作りボールの供給源になるほか、もちろん自らもシュートを放ち得点を狙う。ペナルティーエリアの外から強烈なシュートを放つシーンもよく見られる。日本は彼に得点を許してはならない。彼がボールを保持している時間は守備に力を入れたい。チームの精神的支柱でもあり、まずはこのモドリッチになるべく本来の仕事をさせないことが重要になる。
準優勝だった前回大会を経験している選手も多いクロアチア。注目選手の2人目は、イヴァン・ペリシッチ選手。モドリッチと同様に、長らくクロアチアの躍進を支えているプレーヤーだ。英プレミアリーグのトッテナムに所属するMFは「決勝トーナメント」で最も警戒すべき選手の一人と言えるだろう。なぜなら、2018年W杯ロシア大会の準決勝のイングランド戦、フランスとの決勝と立て続けに大一番で「同点弾」を決めるなど、持ち前の勝負強さで攻撃面で重要な役割を果たしてきたからだ。負けたら終わりの大舞台に強い。
また、ペリシッチ選手の大きな特徴は「両利き」であること。ディフェンス面の対応が厄介な選手だ。今大会のグループリーグでは3試合全てでスタメン出場。得点とはならなかったが、枠内シュートも1本放っている。
クロアチアはグループリーグの3試合でチームとして4ゴールをあげているが(全てカナダ戦)、今大会はモドリッチ選手とペリシッチ選手にまだゴールが生まれていない。だからこそ、この状況がかえって“不気味”な印象だ。日本は守備で彼らを封じたい。
日本が前回の準優勝国のクロアチアに勝てば、ドイツとスペインの勝利に続く「金星」と言われるだろう。今大会3度目の「ドーハの歓喜」となるか。強敵を破った先に、初のベスト8がある。