ワールドカップ史上初の女性主審候補に選ばれた山下良美さんが、11月24日(日本時間)のカナダ対ベルギー戦でピッチに立つ。
この試合に、主審でなく第4の審判として参加する。
第4の審判とはどんな役割を担うのか。
第4の審判の役割は?
サッカー競技規則2022-23によると、第4の審判は、主審や副審2人らと同じように、フィールドにいる審判のひとり。
第4の審判の責務として「テクニカルエリアの監視、交代要員のコントロールなど、フィールド内外の事象に関して主審を援助する」と規定されている。
次のような役割も務めている。
・交代の手続きの管理
・競技者と交代要員の用具の点検
・主審のシグナルや承認を受けたあとに、競技者を再入場
・ボール交換の管理
・前半、後半(延長戦を含む)の終了時に主審がプレーに追加しようとする最小限のアディショナルタイムの表示
・テクニカルエリアに入っている者が責任ある行動を取らなかったことについて主へ伝達
競技会規定をめぐる記述として「主審がその職務を続行できない場合、第4の審判員、上級の副審または上級の追加副審のうち誰が主審を務めるのかを明確にする必要がある」とあり、主審の代役を務められる立場にある。
試合中に多くの選手が関わる騒動(集団的対立)が起きた場合は「テクニカルエリア付近で待機すべき」とも決められている。
イングランドサッカー協会(FA)の資料によると、主審や副審2人が見逃した試合中の次の事象について、第4の審判にはっきりと見えていた場合に援助を求めると規定されている。
・レッドカードの反則
・イエローカードの反則(2枚目で退場になるケース)
・ペナルティエリアの反則(ハンドなど)
第4の審判はまた「誤った選手が警告や退場を出されてしまった際には、指摘しなければならない」とも決められている。
ロイターによると、山下さんと同じく女性初の主審候補に選ばれたフランスのステファニー・フラパールさんも、22日のメキシコとポーランド戦に第4の審判としてピッチに立った。男子ワールドカップ史上初めての女性審判員となった。