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日本でも広がり続けている「ノンアル」ブーム。お酒は飲めるがあえて飲まない、もしくは少量しか飲まない選択的ライフスタイル「ソバーキュリアス」も話題だ。
今やコンビニでも豊富な種類のノンアルビールやチューハイを購入できるようになった。
しかし、冬になって気温も下がり、冷えた飲み物を飲むには寒すぎる。
そこで、冬にも楽しめるノンアルドリンクを求め、ノンアル専門商社アルト・アルコ代表の安藤裕さんに話を聞いた。
安藤さんは、ノンアル専門書『ノンアルコールドリンクの発想と組み立て』の著者でもあり、ワインスクールでノンアルワインの講師も務めている、いわばノンアル・エキスパート。
そんな安藤さんが真っ先におすすめしてくれたのは、ノンアルの中でも最近世界的な主流となってきているという「オルタナティブアルコール」という部類のもの。
従来のノンアル飲料は、アルコールを含んだドリンクからアルコールを抜いたりして作られた「引き算」タイプ。
一方、「オルタナティブアルコール」は果汁にハーブやスパイスなどを入れた「足し算」タイプだという。
細かい定義はないが、同様の手法で作られアルコールのような複雑な味わいが楽しめるドリンクは、今やビールやワインだけでなく、ウォッカやジンなどのスピリッツ、そしてそれらの枠を超えた様々な種類が存在する。
「ハーブやスパイスを足して作られているので、香りの豊かさや味わいの複雑みが出しやすく、1番面白いのではないでしょうか」と話す。

日本ではまだ広く親しまれていないが、実はすでに多くの種類が存在し、中には国内で開発・生産されているものも。
そんなオルタナティブアルコールの中から、安藤さんが冬に勧める「冷たくない」「甘くない」「炭酸なし」の3品を紹介しよう。
赤ワインをモチーフにしたオルタナティブワイン。ブドウ果汁を主体にカシスやブルーベリー、数種類のボタニカルが漬け込まれている。僅かな渋みと酸味が絶妙なバランスを織り成し、複雑で芳醇な香りと味わいを楽しめる。こちらは、安藤さんが代表を務めるアルト・アルコが開発・製造している日本製商品だ。
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こちらは冷やしても美味しいが、「冷やしすぎない方がむしろ楽しめる」とおすすめしてくれたオルタナティブワイン。世界のベストレストランに4度も選ばれたレストラン「NOMA」で経験を積んだシェフが手がけている。こちらははブドウ果汁にシナモンとユズのボタニカルを加えたもので、ボトルを開けるとまず、シナモンの甘くもスパイシーな香りがする。飲むとユズの酸味が絶妙で、ほのかな塩味が残る。オーストラリア産。
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【ボタニカルシロップ草譯】
こちらはストレートで飲むオルタナティブワインではなく、希釈して飲むボタニカルシロップ。「シロップ」という名前から想像するような甘みではなく、他のスパイスと絶妙なバランスを作り出すほのかな甘み。原材料はグラニュー糖、レモン、生姜、カルダモン、コリアンダーシード、バニラのみ。色々な楽しみ方があるが、冬はお湯割り(シロップ120ml、お湯60ml)がおすすめだという。長野県松本市で製造。
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他にも、ノンアル赤ワインを使い、自宅でホットワインを作ることもできる。クセがあまりないというヴィンテンス・メルローを使ったホットワインレシピはこちら⬇︎
<ホットワインレシピ>
材料:ヴィンテンス・メルロー750ml/オレンジ1個/りんご1/2個/しょうが1片/シナモンパウダー小さじ1/ナツメグ少々/はちみつ小さじ2
グラス:マグカップ
レシピ:
1. りんごは皮をむいていちょう切りにし、しょうがは皮をむいて薄くスライスする。オレンジは外皮を塩(分量外)でよくこすり洗いし、輪切りにする。
2. 鍋にヴィンテンス・メルロー、りんご、オレンジ、しょうが、シナモンパウダー、ナツメグを入れ、加熱する。
3. 沸騰寸前で火を止め、はちみつを加える。
(Vintense輸入販売会社湘南貿易のWebマガジンMELLOWから)
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コンビニではあまり見かけないものの、甘くも冷たくもないノンアル飲料はたくさん存在する。こうしたセレクションを参考に、冬も美味しくソバキュリ生活を楽しんでみてはどうだろうか。