「試験中にトイレで1割減点」「生理の何日目か、教員に報告」学校の“謎ルール”にまつわる体験を募集します【アンケート】

学校や教育現場でおかしいと思った「謎ルール」について、あなたの体験やご意見をお寄せください。
学校生活のイメージ画像
学校生活のイメージ画像
Getty Images

「このルール、おかしいのでは?」「なんでこんな規則が生まれたんだろう」

学校や職場などで、そう感じたことはありませんか?

例えば「茶髪やパーマの禁止」「性別で規則が分けられている」「上司より先に帰ってはいけない」など…。理不尽だと感じ、苦しんだことがある方も少なくないかもしれません。

ハフポスト日本版では、「当たり前」とされている理不尽な決まりごとや、いまの世の中にそぐわないような慣習などを「謎ルール」と呼び、より生きやすい社会について考える企画を始めます。

「謎ルール」の企画の第一弾として、教育現場などに関する「学校の謎ルール」の体験談や意見を募集します。

◆明文化されていない「学校の謎ルール」とは?

学校や教育現場では、校則のほかに、明文化されていない決まりごとやルールが存在します。中には、時代錯誤で合理性があるとは言えないもの、理不尽に児童生徒や保護者を縛っていると言わざるを得ないものもあります。

主に校則以外の、そのようなルールや決まりごとを「学校の謎ルール」と呼びたいと思います。

企画のきっかけの1つが、筆者が前職で取材した、滋賀県内の公立高校の「定期試験中にトイレに行くと、試験の得点を1割減点される」というルールでした。

学校によると、「10年以上前、校内が荒れており、試験中にトイレに立って不正行為をする生徒が少なくなかった」という理由で学校側が独自に設けたものであり、校則で明文化されたものではありませんでした。

取材を通じて出会った当該高校の生徒は、「ルールって、おかしいって思って良いんですね」と話していました。その一言から、理不尽なルールでも「従うのは当たり前」と刷り込まれているような環境的問題を感じ、強く心に残っています。

教育現場に依然として残るこうした謎ルールは、子どもたちに疑問を持つことすら許さず、我慢を強いてきたという人権上の問題があるのではないかと感じています。

◆「学校の謎ルール」と呼ぶ理由

学校現場の理不尽なルールは近年、「ブラック校則」という名前で知られるようになりました。東京都立学校の全196校が4月から、「ツーブロック禁止」「下着の色を指定」といった5つの校則を廃止。中国新聞社は、広島県内の公立校の校則データベースを作成しました。一歩ずつですが、公立校の校則については監視の目がはたらき、見直しの動きが始まっています。

一方で学校の独自ルールは、このような具体的な取り組みにまではあまり至っていないように感じています。「『ブラック校則を無くそう!』プロジェクト」によると、「ブラック校則」には生徒心得や学校独自ルールを始め、「校則」ではないものも含まれるといいます。

その中で、明文化や公開がされていないものは特に、検証の対象となる機会が少なく、光が当たりにくいと感じてきました。例えおかしな内容でも、改善されないまま残り、苦しんでいる人も多いのではないでしょうか。実際に近年はSNS上で、「謎ルール」という言葉を用いた経験談が数多く投稿されています。明文化されていないルールを可視化し、焦点をより絞って課題を見つけたいという思いからも、あえて「校則」という言葉は使わないで呼んでみたいと思います。

時に人権侵害を含む重大な影響をもたらすルールの設定で、「謎」という表現はどこか軽いニュアンスに感じるかもしれません。しかし、「笑っちゃうようなささいなこと」と思われているものも含めて、意見を広く集めたくあえてこの名前を使うことにしました。

自分が所属している組織を告発するというのは容易なことではありません。ですが、「このルール謎だよね」と友達に話すように、気楽な気持ちでアンケートに回答してもらえたらうれしいです。

◆理不尽な「謎ルール」がない社会に向けて

「謎ルール」は、学校に限らず職場や公共の場など、社会の至る所に存在しています。いずれは職場をはじめ、さまざまな「社会の謎ルール」に踏み込むことを考えています。

この企画の最終的な目標は、読者の皆さんとともに、理不尽な規則のない社会を作っていくことです。そのためには、なぜ理不尽な規則が生まれるのか、その社会的背景についても考える必要があるでしょう。

例えばハフポスト日本版編集部では、自身の学生時代の経験やこれまでのニュースに基づいた、以下のような「謎ルール」が話題になりました。

他校の生徒との交流を一切禁止
・学校に教科書などを置いておく「置き勉」の禁止
・必ず、何かしらの部活動に入らないといけない
・プールの授業を見学する際、今が「生理の何日目か」を報告しなければならない
・職場で男性だけ、スーツを着なくてはならず、髪を染めてはいけない
・自分より入社年次が早い人には、敬語を使わないといけない
・飲み会で年下に奢らなければいけない空気がある

このような、場合によっては個人の尊厳を損なわせかねない「謎ルール」の背景には、社会の男性・女性像を押し付けるジェンダー観、行き過ぎた監視や「こうあるべき」という固定観念があるのではないか、という意見も出ました。

今回体験談を募集する「学校の謎ルール」については、例えば時代にそぐわなくなっているのに、前例踏襲の風潮ゆえに残ったままになっている、という事情があるのではと想像しています。また生徒をルールで縛る対応の背景には、教員不足の一方で一人ひとりの教員に求められる業務が増える中、学校の運営が行き詰まり、先に何かを起きないようにしたいという学校側の論理があるかもしれません。

まずはどんなルールがあるかを知ること。そして、問題のあるルールを改善するためにどうしたらいいのか。子どもや保護者、学校にも取材していければと考えています。

おかしいと思ったり、今苦しいと感じたりしている「謎ルール」について、あなたの体験談をぜひお聞かせください。

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