中東で初めて開催されるサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会は、11月20日から始まる。
選手たちが訴えたこと
動画では、カタールで働く移民労働者やLGBTQの人々に対する扱いを批判。大会によって生じる、労働者やその家族が感じている「苦しみ」を「無視することはできない」と訴えている。
動画には16人の選手らが登場。「これらの問題に対処することは簡単ではなく、私たちも全ての答えを持っているわけではありません」としつつも、移民労働者への「効果的な救済措置」や、「同性間の関係の非犯罪化」を求めた。
ある選手は、「私たちは専門家ではありません。しかし、アムネスティやFIFA、(カタール大会の)最高委員会、国際労働機関(ILO)、国際サッカー選手会(FIFPRO)、そして最も重要なこととして、カタールの移民労働者の話を聞いてきました」と明かした。
別の選手は、雇用主が移民労働者のパスポートを取り上げ、出国を阻止することを可能にする「カファラ制度」の廃止など、カタールでのいくつかの改革を認めながらも、「その実行には一貫性がなく、改善が必要です」と訴えた。
カファラ制度をめぐっては、カタールがW杯の開催国に選ばれて以降、スポーツ関連施設やホテルなどの建設が相次ぎ、その作業に従事する外国人労働者の待遇が問題視されてきた経緯がある。
また、カタールでは同性愛が違法とされており、ある選手は「選手として、私たちはLGBTQの人々の権利を完全に支持していますが、カタールでは、自分が選んだ人を自由に愛することができません」などと訴えた。
ユニホーム、腕章…抗議示す選手たち
オーストラリアはカタール大会で、連覇を狙うフランスをはじめ、デンマーク、チュニジアと並んでグループDに入った。
オーストラリアの対戦相手であるデンマークも、カタールの人権侵害に抗議するため、通常より色を「トーンダウン」させた黒いユニホームを着用する。また、イングランドを含むヨーロッパの9カ国の選手たちも、同性愛を禁じるカタールの法律に抗議するため、「One Love」と記された腕章を着用する予定だという。