Google検索やYouTube、Discoverに表示される広告を、ユーザー自身が管理できるように──。
検索大手Googleが10月20日、ユーザーが広告表示を管理できる「My Ad Center(マイアドセンター)」の提供を世界中で始めたと明らかにした。
興味のない広告を制限したり、好みの企業やサービス、気になるトピックの広告を多く表示したりすることができる。
Googleは、「Google 検索でレシピを探すときも、YouTubeでハウツー動画を試聴するときも、オンラインで目にする広告に対して、ユーザー自身がそれを管理できるようになるべきです」と述べている。
Googleは5月、ユーザーがより詳細に広告を管理できるようにすると明らかにしていた。
「マイアドセンター」何ができるようになる?
Googleによると、こんな事例が考えられるという。
「例えば、何カ月も下調べをして行った旅行から戻ってきた後、今は旅行に関連した広告は必要ないと感じているとします。その際には、表示された旅行の広告の横にある3つの点のメニューをタップするだけで、マイアドセンター上で必要がなくなった広告の表示を減らす設定ができます」
一方、「自分が気になる広告を表示するように設定することも可能」だという。
ユーザーのデータをもとに興味や関心が反映された関連性の高い広告(パーソナライズド広告)を表示させたくない時も、オフにすることができる。ただ、オフにしても広告は表示される。
これまでは、例えばYouTubeの履歴がオンになっている場合、自動的に履歴がパーソナライズド広告に使用されていたが、YouTubeの履歴をパーソナライズド広告に使用したくない場合は、履歴の広告への活用をオフにすることもできる。その際、YouTubeのフィードに表示される「おすすめ」に影響を与えることはないという。
まったく興味のない広告トピックも制限できる。マイアドセンターでは、アルコール、出会い系、ダイエット、ギャンブル、妊娠、育児といったトピックに関連する広告を制限できるという。
また、マイアドセンターで管理できるのはGoogle検索やYouTubeなどGoogleのサイトに表示される広告で、Googleのパートナーサイトやアプリでは、Googleの広告製品を通じて配信された企業の広告が表示されることがあるという。
利用者の裁量を広げることでGoogleの広告収益に悪影響が及ぶとの見方もあるものの、日経新聞はGoogleの担当者の話として、「データ利用方法やプライバシー(侵害)への懸念、信頼の欠如がサービスの利用停止につながりかねない」と伝えている。