黒毛和牛のシャトーブリアンが64%オフ、梅干しが66%オフ。なぜ、こんなに安いのか?実は、販売されているのは廃棄される運命にあった「フードロス食材」だから。
食品の廃棄は、生産者にとっての悩みの種。さらに、焼却処分で発生するCO2によって環境負荷にも繋がっている。
そんなフードロス問題を解決するための通販サイトが誕生した。
株式会社ONE DAY DESIGNと株式会社クラダシは10月20日、フードロス食材を格安で販売するショッピングサイト「ロスマイル」(https://lossmile.jp)をスタートさせた。
並んでいるのは、まだ食べられるにも関わらず、業界特有の事情などによってこれまで廃棄されてきた食品だ。例えば、牛肉のシャトーブリアンは64%オフの6,980円(税込)。もともと飲食店で提供されていたが、コロナ禍によって行き場を失い、廃棄される予定だった。ロスマイルでは、こういった食材を格安で販売している。
日本で廃棄される食品は年間522万トン。その多くは可燃ごみとして処分される。運搬、焼却でCO2を排出し、環境負荷にも繋がる。
クラダシCEOの河村晃平さんは、「日本では、毎日1人あたり、おにぎり1個分の食品を捨てているという計算。ロスマイルでフードロスという社会課題を解決していきたい」と語る。
クラダシは、これまでにも同様の事業を展開してきたが、今回は新たにONE DAY DESIGNをパートナーに迎えた。同社は、地域創生やフードロスといった領域での社会課題解決を目指していて、朝日放送グループホールディングスとDMM.comが株主だ。
ONE DAY DESIGNのCEO、高橋寛さんは「フードロス問題の現状と、解決手法のひとつとしてのロスマイルを、テレビやデジタル上で丁寧に伝えていきたい」と話す。
年内には “定期便” も始める予定だ。食品の中でも、特に肉や魚といった生鮮食品は賞味・消費期限が短く、廃棄に繋がりやすい。こうしたフードロス食材に対し、定期便を通じて安定的な需要を生み出すことで、生産者が廃棄に悩まされることなく安心して生産できる仕組みを目指す。
ロスマイルでの売り上げは、一部、社会貢献事業にも活用される。
この記事は、ハフポスト日本版と朝日放送テレビ(ABCテレビ)の共同企画です。