イギリスで開催された「ミス・イングランド」で、赤毛の候補者が初めて優勝した。
2022年のミス・イングランドに選ばれたのは、英ランカシャー州出身のJessica Gagenさん。現地時間の10月17日に開かれた決勝で、約30人のファイナリストたちを抑えて優勝に輝いた。
赤毛の子どもたちに「力を与えることが大切」
マンチェスター・イブニング・ニュースによると、Gagenさんは航空宇宙工学を専攻する学生で、モデルとしても活躍している。10代の頃に中学校でいじめに遭い、自信を取り戻すまでに大変な思いをしたと告白。髪の色を理由に暴行を受けていたことも明かした。
「毎日のように悪口を言われました。殴られたり、唾を吐かれたり。頭に物を投げつけられたことも何度かありました」
いじめから逃れるため、トイレで弁当を食べたこともあるというGagenさん。自らと同じように、いじめで辛い思いをしている子どもたちに対し、「それが永遠に続くわけではないと伝えたい」と話している。
Gagenさんは、テレビの出演者に赤毛の人があまりいないと指摘し、「あのような場に赤毛の人がいたらいいなと思います」と訴えた。
過去に赤毛のミス・イングランドが存在しなかったことを踏まえ、「赤毛の子どもたちが学校でどんなことに直面しているかを人々に伝え、私と同じようなことに遭っている子どもたちを力づけることが大切だと感じています」との思いを明かした。
STEM分野の女性支援も目標
航空宇宙工学を専門としていることから、Gagenさんは今回の大会に出場することでSTEM(科学・技術・工学・数学)分野で学ぶ女性の支援につなげたいと目標を語る。
自身のInstagramでは、「モデル業とエンジニア業の両面を紹介することで、ステレオタイプをなくすことにとても情熱を持っています」と投稿。
「将来、より多くの若い女の子たちが、STEM分野でキャリアを築く機会となる教育を受けられる世界を思い描いています。なので私は、女の子たちがすでに持っている素晴らしいパイロットやエンジニアになるためのスキルに気づくことができるよう、ベストを尽くすつもりです」とのメッセージを寄せた。
赤毛の著名人も
赤毛は「ジンジャーヘア」とも呼ばれ、ロイター通信によると世界全体で1〜2%、イギリスでは6%ほどの比率といわれる。赤毛を理由に差別やいじめに遭う人もいる。
Insiderは、ニコール・キッドマン、ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・ファスベンダー、ブリジット・リーガンなども地毛が赤毛だと紹介している。役作りのため、赤毛を黒や金など他の色に染める俳優もいる。