人気ドラマ『フルハウス』が9月、アメリカでの放送35周年を迎えました。
サンフランシスコに住むタナ一家の父親ダニーが、事故で突然妻を亡くしたあとに、家族や友人たちと3人の娘を育てるというストーリー。現在もNetflixなどで視聴でき、続編の『フラーハウス』も作られました。
個性豊かでキュートな3人姉妹の中でも、特に自由気ままでいたずら好きの末っ子ミシェルは、生後すぐに母を亡くしたこともあり、家族から溺愛されたキャラクター。初回放送では、ミシェルは生後9カ月という設定でしたが、番組を通して成長していく姿を、ファンも温かく見守りました。
演じたのはアシュレー・オルセンとメアリー=ケイト・オルセンの双子姉妹。当時、子どもの労働時間は厳しく制限されていたこともあり、ミシェルはアシュレーとメアリーが“2人1役”のダブルキャストとして演じました。
大人になった2人は、どんな成長を遂げているのでしょうか?
撮影時のエピソードと一緒に、当時と今、写真で比較しながら紹介します。
オーディションで泣かなかったオルセン姉妹。悪魔と天使として“共演”も
1986年6月13日生まれのオルセン姉妹は生後8カ月頃の時に『フルハウス』でデビュー。オーディションでは、オルセン姉妹は「唯一泣かなかった」双子だったために、ミシェル役に選ばれたと言われています。
アシュレーとメアリーは二卵性双生児。シーズン8まで約8年間続いた番組で、交代でミシェルを演じました。「ミシェルのなかの悪魔」(シーズン5 第19話)や「どちらが婚約者?」(シーズン4第1話)などで、2人は同時に登場し、“共演”を果たしたこともありました。
俳優業引退。現在はファッションデザイナーに
『フルハウス』の放送後は『ふたりはふたご』『ふたりはお年ごろ』などのシットコムで、やんちゃな双子を演じてお茶の間のスターとなり、2000年代前半まで映画にも数多く出演しました。
さらに、オルセン姉妹に関する服や香水、人形などの商品も生産。幼い頃には多くの“双子ルック”、10代前半からはそれぞれの個性が光る着こなしを披露し、ファッションアイコンとしても注目を浴びました。
2004年には、2人は共同CEOとしてプロダクション「Dualstar」を引き継ぎ、ファッションデザイナーへの道を進み始めます。
アシュレーは2009年に、メアリーは2012年に俳優業の引退を表明。現在は、The RowとElizabeth and Jamesという2つのブランドを率いています。
俳優業を引退してから、2人は公の場に姿を現すことは滅多にありませんが、Aリストセレブが集うファッションの祭典「メットガラ」にはたびたび参加しています。
ちなみに、オルセン姉妹には妹のエリザベス・オルセンがいて、エリザベスは俳優として精力的に活動。マーベル・スタジオの人気シリーズ『アベンジャーズ』のワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)役などで知られています。
ダニー役俳優の訃報に「愛情深く思いやりがあり、寛大な人だった」
放送35周年を迎えた2022年の1月には、『フルハウス』をめぐる悲しいニュースもありました。
タナー家の父ダニーを演じたボブ・サゲットが65歳で亡くなりました。3人娘を、愛情をたっぷり注いで育てたダニーは、世界中のファンを笑顔にし放送後も愛されてきました。
突然の訃報に、共演者も次々と追悼の言葉を送りました。自身のSNSアカウントを持たないオルセン姉妹ですが、このときはアメリカのメディアPeopleを通じて、こうコメントを発表しました。
「ボブは愛情深く、思いやりがあり、そして寛大な人でした。もうこの世にいないことに深く悲しんでいますが、彼はいつものように、優しく私たちのそばに寄り添ってくれていることでしょう」
不参加だった『フラーハウス』では、ある粋な設定が
俳優業から引退し表舞台に出ることは少なくなっても、オルセン姉妹はファッションへの道で活躍し続けています。
2016年から配信が始まった続編の『フラーハウス』は、3人娘が大人になった現代を舞台に、キャンディス・キャメロン演じる長女D.J.が、3人の息子のシングルマザーとなり、ダニーたちと同じように家族や友人たちと子育てに奮闘する姿を描きます。
オルセン姉妹は、『フルハウス』のおなじみのキャストの中で唯一出演が叶いませんでしたが、ある粋な設定が話題を呼びました。
それは、ミシェルは「ニューヨークでファッションデザイナーの仕事をしている」というもので、姿は登場しないものの、その名前は劇中に何度も登場。現実のオルセン姉妹のキャリアを反映する設定で、ミシェルがいかに『フルハウス』にとって欠かせない存在であるかを示し、ファンを喜ばせました。