ENEOS元会長の電撃辞任は女性への「性加害」。「元会長が不適切な言動に及んだ」と認める【全文】

ENEOSホールディングスは「社長指揮の下で事実関係の調査を行い、元会長が不適切な言動に及んだと判断し、社長から辞任を求めました」と説明している。
杉森務氏(2018年4月24日撮影)
杉森務氏(2018年4月24日撮影)
時事通信社

石油元売り最大手のENEOSホールディングスは9月21日、会長を務めていた杉森務氏の辞任をめぐり、女性への「性加害」が理由だとするデイリー新潮の報道を認めるコメントを発表した

コメントでは、「人権尊重、コンプライアンス徹底を経営の最優先事項と位置付けているにもかかわらず、今回の一部報道にあるとおり、元会長自らがこれに背く行為を行ったことは、極めて遺憾です」とし、「被害を受けられた方に深くお詫び申し上げますとともに、ステークホルダーの皆様にご迷惑、ご心配をおかけすることとなりましたことをお詫び申し上げます」と謝罪した。

新潮社のニュースサイト「デイリー新潮」は同日、杉森氏が2022年7月に沖縄県那覇市の高級クラブに勤務する女性に対して、キスを強要したり、ドレスを脱がせたりし、骨折などのけがを負わせた上、被害女性はPTSD(心的外傷後ストレス障害)のような症状に悩まされているなどと報じていた

杉森氏をめぐっては、ENEOSホールディングスが8月12日、同日付で会長を辞任すると突如発表。同社は理由について「一身上の都合」とのみ説明していた。杉森氏は2022年6月の株主総会で再任されたばかりで、当時は業界団体「石油連盟」の会長なども務めていた。

これについて9月21日に表明したコメントでは、「被害を受けられた方のプライバシー保護を最優先とし、元会長の辞任の背景についての言及を控えておりました」と釈明。辞任に至った経緯について、「被害を受けられた方から一報を受けた後、ただちに、社長指揮の下で事実関係の調査を行い、元会長が不適切な言動に及んだと判断し、社長から辞任を求めました。元会長も深い反省を示し辞任届を提出したことから、当社取締役会は、これを受け入れることとしたものです」と説明した。

【コメント全文】

ENEOSホールディングスのコメント全文は以下の通り。

人権尊重、コンプライアンス徹底を経営の最優先事項と位置付けているにもかかわらず、今回の一部報道にあるとおり、元会長自らがこれに背く行為を行ったことは、極めて遺憾です。

被害を受けられた方に深くお詫び申し上げますとともに、ステークホルダーの皆様にご迷惑、ご心配をおかけすることとなりましたことをお詫び申し上げます。

これまで、被害を受けられた方のプライバシー保護を最優先とし、元会長の辞任の背景についての言及を控えておりました。

当社は、被害を受けられた方から一報を受けた後、ただちに、社長指揮の下で事実関係の調査を行い、元会長が不適切な言動に及んだと判断し、社長から辞任を求めました。元会長も深い反省を示し辞任届を提出したことから、当社取締役会は、これを受け入れることとしたものです。

今後は、社長のリーダーシップのもと、全社一丸となり、ステークホルダーの皆様のご期待にお応えすべく、社業にまい進してまいります。

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