「上演中に自分の斜め右後ろで体感10分に1回くらいのペースで4〜5回アラームを鳴らし続けた恐らく関係者なにぃぃぃ????????????」
「泣けてくる。役者さんだってスタッフさんだって時には命削って本気でやってんだ...」
「高いチケット代を払って舞台を見に来ている方々の貴重な時間を台無しにする行為」
舞台作品の観劇マナーをめぐり、俳優や声優から苦言を呈する声があがっている。ネットで発信したのは、俳優の田村心さんと、声優・舞台俳優の置鮎龍太郎さん。2人の投稿した内容に賛同するコメントが多数寄せられ、「演者サイドから声をあげてくださると本当に有難い」 「『人の振り見て我が振り直せ』を肝に銘じたい」などと話題になっている。
「耳の周りが熱くなるほどの憤りを感じました」
ミュージカル『刀剣乱舞』 や『ワールドトリガー the Stage』などに出演する俳優の田村心さんは、9月12日にブログを更新し、前日に『舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車』を観劇したことを報告した。
「2.5次元(※編註:漫画・アニメ・ゲームを原作とする舞台作品の総称)の面白さが全て詰まっていました」「キャスト、スタッフさん皆で戦っているんだと一目で分かる作品です」などと作品を絶賛する文章をつづったのち、「最後に一言だけ愚痴を言わせてください」と前置きした上で、関係者と思われる人のマナー違反行為を指摘した。
上演中、周囲に「体感10分に1回くらいのペースで4~5回アラームを鳴らし続けた恐らく関係者」がいたといい、「おかげで多分後半50分くらい また鳴ったよ…また鳴るぞ…ほら鳴ったよ…もうやめてくれ…というすごいストレス」を受けたと明かした。
「ずっと楽しみにしていた分 作品が良すぎた分、悔しくて、許せなくて 耳の周りが熱くなるほどの憤りを感じました」と告白した上で、「1回目鳴らしてしまった時点で電源切ればよくないですか…?」と指摘した。
「恐らく関係者だから 何気なく観にきたのかもしれないけれど 何ヶ月も前からチケットを取って ワクワクして劇場に来て 役者さんたちのお芝居を観て 心動かされているのになんでルールを守らない1人の人間に それを邪魔されなきゃいけないんだ」と、観客の思いを代弁した。
また、数多くの舞台に立ってきた俳優としても、「劇場後ろの方の席の音だって意外と舞台上にまで聞こえる」と指摘した上で、こう呼びかけている。
「泣けてくる。役者さんだってスタッフさんだって時には命削って本気でやってんだ...お客さんだってそのたった1日を数年に感じるほど待ち望んで楽しみに劇場に来ているんだ。
みんなでそんな素敵な空間を守りましょう。ルールを守って楽しく観劇しましょう」
観客と役者の双方の立場からマナー違反に苦言を呈する内容に、多くの反響が広がった。「その通りすぎる指摘」「普段舞台上に立つ側の田村君から発信して頂けてとても嬉しい」「改めて自分も気をつけようと思う」などのコメントが寄せられている。
「観客の貴重な時間を台無しにする行為」
また、『SLAM DUNK』や『テニスの王子様』『ONE PIECE FILM RED』などで声優を担当している置鮎龍太郎さんも、11日にTwitterでマナー違反に疑問を投げかけた。
作品名は明かしていないものの、「関係者席らしきエリアで携帯電話を鳴らす人(2時間のうちに7~8回)、スマホを煌々と光らせる人、どういうつもりなんだろ?」と投稿。「観客の貴重な時間を台無しにする行為」だとして「ああ、恥ずかしい恥ずかしい 自分も気をつけよう」と嘆いた。こちらも6万以上の「いいね」が寄せられている。
映画館や劇場も呼びかけ
舞台や映画などの鑑賞をめぐっては、映画館や劇場側からマナーについて呼びかける動きも広がっている。福岡市博多区にある劇場「博多座」はTwitterで「前のめりの観劇」は周囲の人の視界を遮る恐れがあるとして実験動画を投稿。また、映画館大手チェーンのイオンシネマも、「上映中のスマートフォンやスマートウォッチの明かりはこんなにも目立つんです」というコメントとともに、画像を投稿し、上映中の利用を控えるよう呼びかけて話題になった。
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