「そろそろ掃除機かけようと思ってたからちょうどよかった」
そんな一言ともにTwitter上に投稿された写真が大反響を呼んでいる。
投稿者は、このセリフを「超ポジティブ」と自己評価。一体何が起きたのだろうか。
写真の中央に横たわるのは、茶白のにゃんこ。つぶらな瞳にキョトンとしたかわいらしい表情をしているが、手元にあるのはーー
引っ掻き傷をいくつも作った「こしひかり」の米袋。後ろ足も使ってしっかりと抱えている。
そう、嫌な予感は的中する…。
にゃんこが横たわるすぐそばには、米袋に入っていたとみられる大量の米粒が散乱している。
この絶望的な状況を「超ポジティブ」に捉えた投稿に、3万7000件のリツイートと16万5000件の「いいね」が寄せられた。「前向きすぎ!」「このポジティブさは真似できない。神」「カワイイので……ヨシ」などと絶賛する声が相次いだ。
ハフポスト日本版は、にゃんこの飼い主で投稿者のでんかさん(@K_theHermit)に詳しい話を聞いた。
「今思えば、現実逃避だったのかな」
でんかさんはにゃんこを「ねこさん」と呼んでいる。
今年の春、路上でぐったりとして足に怪我を負ったねこさんを見つけ、病院に連れて行くなどした末、自ら引き取ることに決めてから一緒に暮らしている。
推定1歳4カ月で、でんかさんがトイレに行くときにまでついてくる「かなりの甘えたがり」。西日本の離島で暮らすでんかさんは、手に入った魚をおやつとしてねこさんにあげることもあるという。
ねこさんとでんかさんの平和な暮らしの中で“事件”が起きたのは、でんかさんが職場から帰宅してすぐのこと。ねこさんは玄関まででんかさんを出迎えに来た後、走ってキッチンに向かったという。
シャラシャラシャラ…と不穏な音が聞こえたので、でんかさんもキッチンに行ったところ、“現場”を目にすることになった。
「その瞬間、『そういえば最近、掃除してなかったな〜』と、なぜか思ったのです。今思えば、現実逃避だったのかなと思います」
これまでねこさんがビニール袋で遊ぶことはなかったため、今回の仕業には驚いたものの、「かわいいし許そう」と思ったという。
「だって、『かわいいだろ、ちゃおちゅ〜るくれ』と訴えている表情をしていましたから」
「ついでにお米も炊いちゃおう」と思い立ち、散らばった米粒のほとんどを手で回収して炊いたそうだ。
「投稿へのコメントで知りましたが、手ではなくストッキングを被せた掃除機で米粒を簡単に吸い取れるそうです。
汚れてしまったお米は飼料として引き取ってもらったり、精米機で処理したりすることもできるそう。今後、同じ体験を人してしまった人の参考になればと思います」
再発防止策として、戸棚の高い位置の引き出しに米袋を入れるようになったという。
「物で遊ぶのが猫という生き物。『やらかし』がおきたら、未然に防げなかった飼い主である私のせいです。
猫を飼うということは、猫に尽くさないといけないんだなと改めて実感しました」
ねこさんに尽くす中で、いいこともあったという。
「布団を頻繁に天日干しするようになりました。ねこさんのおかげで、いろんな面で健康な生活を送れているので、イタズラのフォローはしっかりとやらせていただきます」
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉
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