若者から絶大な支持を得る、イタリア・ローマ出身の新世代ロックバンド「Måneskin(マネスキン)」。
彼らが「MTVビデオ・ミュージック・アワード(MTV VMA)」に出演したところ、数回にわたり、映像が差し替えられる出来事があった。
Twitter上では「もしMTVが放送規制をしなければ、彼らは今年最も象徴的なパフォーマンスになっていたでしょう」などとファンの間で議論が起こっている。
規範にとらわれない自由で反抗的なファッションスタイルが支持されているマネスキン。
公式インスタグラムには、グッチによる衣装を身にまとった写真を投稿している。
MTVビデオ・ミュージック・アワードには、ヴォーカルのダミアーノがTバックになったパンツスタイルで登場し、ベースのヴィクトリアはワンショルダーのトップスに左胸にニップレスを着けた姿でパフォーマンスを披露した。
「SUPERMODEL」の曲を披露していたところ、ヴィクトリアのトップスが肩からずれ、右胸が露出。すると、急に映像が切り替わり、会場全体を見下ろすものに差し替えられた。この映像は計5回あり、マネスキンのパフォーマンスは全て放送されなかった。
Page Sixによると、ヴィクトリアはこの日のレッドカーペットのインタビューで、このダブルスタンダードについて狙いを定め、こう語ったという。
「私たちが自由のメッセージを共有することは、とても重要なことだと思います。だから、誰もが自由に自分らしく、自分らしさを表現できるように、そして、男性が体を見せることと同じように、女性が体を見せることがもっと平等になれば」
放送コードがあるので仕方ないが、一部のファンからはMTVに対して「マネスキンのパフォーマンスを台無しにした!!!!」などと批判の声が上がっている。
ヴィクトリア「仕方なく乳首を隠してる」
GQのインタビューで「仕方なく乳首を隠してる」と話していたヴィクトリア。
ヴィクトリアが、ニップレスを着けた姿でパフォーマンスしているのは、女性の体は常に性的対象として見られていて、男性は胸を見せても批判されないが、女性は胸を隠さないといけないという「社会の価値観」に打ち勝つため。
「大事なことは、誰もが何も気にせず、自分らしくいられること。自分の容姿や、ジェンダー、性的指向を隠さずに生きていけること。世の中は差別だらけ。社会は人にさまざまな規制を課し、その振る舞いや、装いをコントロールしている。それに、女性の体は常に性的対象として見られる。これは許されないことで、どう見られるかに関係なく、自分の思い通りに過ごせるようになればいい」とヴィクトリアは訴えている。