お盆にお供えする風習がある「精霊馬(しょうりょううま)」。ナスで作られた牛と、キュウリの馬が飾られるのを目にしたことがある人も多いかもしれません。
お盆を迎えるのに合わせ、自動車メーカー大手の本田技研工業(ホンダ)が公式Twitterでお手製の精霊馬の写真を投稿。そのクオリティーの高さに衝撃が広がっています。
ホンダは8月13日の投稿で、
<今日は #迎え盆 。「#精霊馬」を作ってみました!>
と報告。ナスとキュウリで作った、オリジナルの精霊馬をお披露目しました。
精霊馬といえば、ナス牛とキュウリ馬が一般的。でもホンダの精霊馬は一味違い、自社商品の乗用車「シビック」とオートバイ「スーパーカブ」がモチーフになっています。
輪切りにしたナスとキュウリをタイヤに見立てたり、サイドミラーやヘッドライトが完備されていたり...細部にまでこだわりを感じられる出来栄えです。
チョイスの理由は...
なぜこの2種を選んだのでしょうか?
ツイートでは、
<行きはご先祖様を速くお迎えできるよう、爽快な走りの #CIVIC を
帰りはのんびりと景色を楽しめるように、寄り道しても給油の心配が少ない #スーパーカブ をチョイス>
と、その理由を明かしています。
お盆に帰ってくるご先祖たちへの細やかな配慮があったようです。
本気度が高すぎるホンダ特製の精霊馬に対し、SNS上では「センスに拍手」「さすがモータースポーツの職人」「ご先祖様から喜ばれそう」などのコメントが続々と寄せられています。「カブだけどナス...」と突っ込む声もありました。
行きはキュウリ馬、帰りはナス牛
ウェザーニュースによると、キュウリ馬とナス牛は通常、位牌や供物を置く盆棚に供えられるといいます。
「キュウリ馬」は、お盆に先祖の霊があの世から家に帰るときに乗って来られるよう、苧殻(おがら)などをキュウリに刺して馬に見立てて作ります。
同様に、ナスに脚をつけて牛に見立てた「ナス牛」は、お盆が終わって先祖の霊があの世に戻る時に乗るとされています。
行きが馬、帰りが牛とされるのは、先祖の霊に「早く来てください」「帰りはゆっくりとお戻りください」という願いを込めたから、とも言われています。行きにシビック、帰りにスーパーカブとしたホンダの配慮も、この考えに重なるところがあるようです。