男性もスカートを履けるし、どんなことだってできるーー。
スカートを履いても履かなくても、それを選択できるという事実だけでも、子どもに重要なことを伝えられるーー。
出演ドラマの制作発表会に、スカート姿で登場して話題を呼んだ韓国の俳優ポン・テギュさん。2児の父親でもあるポンさんが、8月にバラエティ番組に出演し、「スカートを履いた理由は息子」だと答え、反響が広がっている。
成長すると「青色がいい」
ポンさんは、韓国の超高層マンションを舞台に、富裕層の闇や格差社会を描いた人気ドラマ『ペントハウス』などに出演する俳優だ。2020年に同作品の制作発表会が開かれた際に、グレイのジャケットとプリーツスカートで登場した。
ポンさんは8月3日に韓国のバラエティ番組『屋根部屋の問題児たち』(KBS 2)に出演。MCのキム・ジョングクさんから「制作発表会でスカートを履いたことがあるんですって?」と聞かれると「そうです」とうなづいた。
ポンさんは、「本当に心地よかったんです。スカートというアイテムは強力なので、上に何をあわせても綺麗ですしね」と、スカートを気に入った様子で語った。続けて、スカートを履いた理由は「息子のシハ」だと明かした。
ポンさんは、写真家のハシシ・パクさんと結婚しており、2015年に息子シハくんが、2018年に娘ボンビちゃんが誕生した。ポンさんのインスタグラムにもよく登場しており、家族についてのエッセイ本も出版している。
ポンさんによると、シハくんは、幼い頃は様々な色を好んでいたが、成長するほど「青色がいい」「男性はこうでなければいけない」という固定観念にとらわれるようになったという。ポンさん夫婦は、ジェンダー規範にとらわれることなく服を選んでいるといい、ポンさんは自らスカートを履くことで、「男性もスカートを履けるし、どんなことだってできる」と示したかったと明かした。
今では欧米の俳優らがレッドカーペットなどにスカート姿で登場することが時折見られるようになったが、2020年当時の韓国で、公の場でスカートを履いた俳優は珍しく、ポンさんは多くのメディアで取り上げられ話題になった。
当時、ポンさんはインスタグラムにも、スカート姿の写真を投稿。「とても楽でした」とした上で、シハくんや子どもへの思いもコメントしていた。
「(スカートを)もっと早く着ることができたら、どんなに良かっただろう? 今までパンツという限られたアイテムだけを着て生きてきたためか、スカートは驚くほど新鮮で素敵でした。ある境界線が消えるということは、その人に驚くほどの刺激を与え、新しい宇宙が広がるんです」
「もし、(息子の)シハも制服を着るようになれば、選択肢にスカートがあればどうでしょうか。スカートを履いても履かなくても、それを選択できるという事実だけでも、子どもに重要なことを伝えられるから。私は今になってそれを学びましたが、シハは私よりもう少し早く知ることができればいいなと思います」
※この記事はハフポスト韓国版を翻訳・編集・追記しています。