アメリカ・ニュージャージー州にあるピザレストランのネズミのキャラクターが、黒人の女の子を無視しているように見える動画がネット上で拡散し、波紋が広がっている。
動画では、ピンクのチュールスカートをはいた女の子が、両手を上げて楽しそうに飛び跳ねている。この女の子は、誕生日パーティーに招かれてピザチェーン店「Chuck E. Cheese」を訪れていた。
その後ろで、Chuck E. Cheeseのマスコットキャラクターであるネズミの着ぐるみを着た従業員が、ステージ上に並ぶ子どもたちの列にハイタッチをしている。
女の子がネズミにハイタッチをしようと片手を伸ばしたところ、この従業員は女の子から顔を背けるような仕草を見せた。
女の子の母親は、一連の現場を捉えた動画をTwitterに投稿。「私の2歳の娘が人種差別を受けました」と訴え、ネズミの着ぐるみを着た従業員が黒人の娘を故意に無視したと主張した。ネズミがハイタッチしたステージ上の子どもたちは、白人だったとも証言する。
「娘はとても優しく、とてもクールで賢い子です」「誰かが彼女を無視したり、彼女が目に映らないかのように感じさせたりするのを、私は初めて目の当たりにしました」
投稿によると、母親は店のマネージャーに苦情を言ったが、マネージャーは「(母親が)そのように感じているのは残念だ」と述べた。店側は、着ぐるみの従業員が女の子に気づいていなかったと説明しているという。
その後マネージャーの手配で、女の子はネズミのキャラクターと写真を撮った。
母親が投稿した動画の再生回数は350万回を超え、波紋が広がっている。
Chuck E. Cheeseはこの件をめぐり、以下の声明を発表した。
「Chuck E. Cheeseはどのようなご家族やお子様でも、完璧とは言えない経験をされた場合、悲しく思います。
今回のご家族がこの件を知らせてくれたこと、現場のマネージャーが直接謝罪し、ご家族の懸念に対処する機会を与えてくれたことに感謝したいと思います。
毎年多くのご家族や子どもたちが、大小様々な節目を祝う場所として、私たちの目標はあらゆる年齢、人種、民族、宗教的背景、学習上の違いを持つ子どもたちや保護者の方々を受け入れることで、包括的で楽しい体験をしていただくことです。
私たちの使命は、子どもが子どもでいられ、楽しくて安全な場所を提供することです。全てのキャストは、この約束を確実に守るためのトレーニングを受けています」
一方、女の子の母親は「現場のマネージャーに謝罪の機会を与えた」と説明した声明に対し、「『あなたがそのように感じているのは残念だ』というのが謝罪だったのでしょうか?」と疑問を呈した。
セサミのキャラ、黒人の子どもを無視し謝罪
同様の問題は、直近でも明るみになっている。
7月には、アメリカ・ペンシルベニア州にある遊園地「セサミプレイス」で、セサミストリートのキャラクターが黒人の女の子2人とのハイタッチを拒否した動画が拡散。セサミプレイス側への憤りの声が噴出していた。
セサミプレイスは当初、「意図的に無視したわけではない」などと釈明していたものの、その後批判は高まり続け、2度目の声明で「私たちのパークで体験したことについて、ご家族に心からお詫びします」と謝罪した。