いよいよ夏休み。「夏休みの自由研究」はどうしよう…と困っているお子さん、心配しているご家族もいるかもしれません。
そんな中、雲研究者・気象庁気象研究所研究官の荒木健太郎さんがTwitterに科学的な自由研究の取り組み方をまとめた「ガイド」を紹介。
「助かる」「永久保存版」と反響が広がっています。
ガイドを作った理由や自由研究のポイントを荒木さんに聞きました。
■どんなガイド?
荒木さんが7月21日に自身のTwitterに投稿したのは、「科学者になれる!すごすぎる自由研究ガイド」。
「いくつかの手順を踏むだけでとても面白い科学研究になります」「夏休みにぜひご活用ください」とつづりました。
ガイドでは「すでにあるものを作ったり、ただ集めたりするだけでは科学的な研究ではありません」として、「科学的な手法で自由研究に取り組もう」と呼びかけています。
そして、その具体的な始め方や観察、仮説の検証方法、研究内容のまとめ方や発表方法を以下の5つのステップで紹介。
イラストを使って、わかりやすくまとめています。
ステップ1:興味のあるテーマをえらぼう
ステップ2:「疑問」を見つけよう
ステップ3:疑問について調べて「仮説」を立てよう
ステップ4:研究の進め方、データ分析のしかた
ステップ5:自由研究をまとめて、コンクールに応募しよう
「過程を大事にしてほしい」
ハフポスト日本版では荒木さんに作成の経緯や自由研究で大事にしてほしいポイントを取材しました。
荒木さんがガイドを作ったのは2021年7月。
自身の著書『すごすぎる天気の図鑑』を通して小学生の読者から「天気や雲をテーマにした自由研究に取り組みたい」というコメントが寄せられたことから、海外の資料を参考にして日本の事情に合わせたガイドを作成することにしたといいます。
ガイドではさまざまなポイントが示されていますが、荒木さんは特に「『過程』を大事にしてほしい」と言います。
「実験や観察などで上手くいった結果だけが重視されがちですが、興味のあるテーマから疑問を見つけ、それについてレビューし、仮説を立ててそれを検証するという過程が重要です。仮説の通りにならなければ、なぜそうならなかったかを考察すれば、立派な研究ですし、このような過程は社会に出てもどの分野でも必須なため、自由研究として取り組めれば素晴らしいと思います」
ガイドには「助かる」などとたくさんの反響が寄せられています。
この点について荒木さんは「ガイドの内容はプロの研究者もやっていることですし、研究でなくても同様のプロセスが必要な仕事は多くあります。小学生や中学生、高校生だけでなく、大学生や院生にも活用いただけると嬉しいです」と答えました。
これから自由研究に取り組むお子さんたち、ご家族の方には、次のようなメッセージを寄せています。
「自由研究は科学的な思考を養うことのできる良い機会であると同時に、『知れば知るほど楽しくなる』というように興味を深める良いきっかけになると思います。ぜひ研究活動を楽しんで取り組んでみてください」