ディズニーランドにとって象徴的な存在となっている“お城”。世界にある6つのテーマパークではそれぞれデザインの異なる城がそびえたち、来園者を迎える。
来年、開園40周年を迎える日本にある東京ディズニーランドでも「シンデレラ城」がパークのシンボルとなっている。
世界を見てみると、2020年11月に完成した香港ディズニーランドの城のデザインが話題となり様々な意見が飛び交った。その主な理由は、城のデザインに多様性が表れていたからだ。各国のパークの城を比較して改めて見てみよう。
「複数のヒロインをフィーチャー」。デザインが話題になった香港ディズニーの城
香港ディズニーランドにある城の名称は「キャッスル・オブ・マジカル・ドリーム」。
特徴は、世界の他のパークにある一部の城とは異なり、1人のヒロイン(もしくは1つの物語)に特化されたデザインではなく、10以上の物語が1つの城に集約され表現されている点だ。
城を構成している複数の「塔」には、様々な物語の世界が反映されている。
例えば、中国の女性の戦士が勇敢に戦った『ムーラン』や主人公が先住民の娘という設定だった『ポカホンタス』、さらには日本でも高い人気を誇る『アナと雪の女王』『アラジン』などもデザインに含まれている。
このデザインについて、ディズニーは公式ブログで「(シンボルとなる)城が1人の王女を代表するものから、複数のヒロインをフィーチャーするように移行したのはこれが初めてで、私たちの作り上げたユニークな物語とキャラクターの多様性を強調するものです」と説明している。
ディズニーはこのように説明しているのだが、実はディズニーの公式ファンクラブでは「上海ディズニーランド」の城について、開園当初の2016年に、複数の物語に焦点が当てられた城だと紹介されていたこともあった。
香港ディズニーランドの新たな城は、2005年にオープンして以来、パークのシンボルだった「眠れる森の美女の城」をリニューアルしたものだった。
改めてデザインを比べてみると、その違いは明らかだ。
世界のパークの城を比べてみた
世界のディズニーランドの城は、それぞれどんなデザインになっているのか。この機会にまとめて紹介する。違いや似ている点を改めて見てみよう。(※すでに紹介した香港ディズニーランドの城は割愛する)
①ディズニーランド(米・カリフォルニア)
②ウォルト・ディズニー・ワールド(米・フロリダ)
③東京ディズニーランド(千葉県浦安市)
④ディズニーランド・パリ(フランス)
⑤上海ディズニーランド(中国・上海)
多様性を表した「城」には様々な声
多様性を表現した香港ディズニーランドの城のデザインをめぐっては、「素敵」「訪れてみたい」と好意的に受け止める声も上がる一方、「城としてはシンプルな方が好み」「多様性は他で表現すればいいと思ってしまう」という意見もあり賛否が分かれていた。
昨今のディズニーアニメーションでは、かつての物語ではあまり描かれてこなかった多様性の要素を盛り込んだ作品が増えている。パークのアトラクションでもそんな動きはある。
2020年にはアメリカのウォルト・ディズニーがカリフォルニア州とフロリダ州のテーマパークの人気アトラクション『スプラッシュ・マウンテン』の題材を黒人の少女が主人公の映画『プリンセスと魔法のキス』に変更すると発表していた。