アメリカ・ペンシルベニア州にある、子ども向け人気教育番組「セサミストリート」をテーマにした遊園地の「セサミプレイス」で、パレード中に撮られた動画に波紋が広がっている。
動画では、パレードを歩きながら子どもや女性とハイタッチをするキャラクターの「ロジータ」が、2人の黒人の女の子に対しては手と首を横に振ってハイタッチを拒否して通り過ぎていく様子が確認できる。
撮影した母親は、ロジータに扮したパフォーマーは、意図的に人種差別的行動をとっていると主張している。
隣の白人の女の子にはハグ
動画を撮影したジョディ・ブラウンさんは、7月16日に娘の誕生日を祝うために、姪と一緒にセサミプレイスを訪れていたという。SNSに「腹が立って仕方がない」などと憤りをつづって動画を投稿すると、Twitter上で900万回以上再生された。歌手のケリー・ローランドさんや俳優のオードラ・マクドナルドさんも反応し、セサミプレイスに対する怒りの声があがっている。
ブラウンさんは、動画には映っていないその後の出来事について、こうも明かしている。
「この不快な人物(パフォーマー)は、子どもたちにあからさまにNOと言った後、私たちの隣にいた小さな白人の女の子を抱きしめました。そして、私がそれに対し不平を訴えると、彼らはまるでこちらが狂っているかのように私を見ていました」
「もう二度とセサミプレイスには足を踏み入れません」
この出来事が起こったあと、ブラウンさんは弁護士を雇い声明を発表した。
「パフォーマーの行為と、テーマパーク側がこのようなひどい行為を擁護するという、説明責任の欠如と厚かましさの両方に愕然としています」として強く批判。「マイノリティの利用者を意図的に差別しているとしか思えない」と憤りを露わにした。
「いつでも人種の話に結びつけたいわけじゃない。でも、事実から推測できるのは、その一つだけ」
SNSで拡散され、メディアにも報じられると、セサミプレイス側も声明を発表した。当初は「意図的に無視したわけではない」と釈明。「NOを示す手振りは、子どもを抱いて写真を撮ってほしいと頼む複数のリクエストに応じたものであり、特定の人物に向けたものではない」「誤解を招いた」として謝罪した。
しかしその後も批判が高まり続け、数時間後に2つ目の声明を発表。従業員の理解を深め、ゲストが包括的かつ公平に楽しめる体験をできるよう、トレーニングを実施すると公表。ブラウンさん一家に対しても「心から謝罪する」とし、料金を返金した上で、再度招待すると説明した。
一方、ブラウンさん側がワシントン・ポストに語った内容によると、他の映像においても、セサミプレイスのパフォーマーが、有色人種の子どもとの交流を拒否していることが確認できたため、「訴訟の可能性を含め、選択肢を検討し続けている」という。
「私たちはいつでも人種の話に結びつけたいわけではありません。しかし、残念なことに、今回の一連の事実から論理的に推察できるのは、その一つだけなのです」とコメントしている。
※この記事はハフポストUS版を翻訳・編集しています。