「自由な服装でお越しください」
就職活動の際にその言葉が意味する「服装自由」はどこまでが「自由」なのだろうか。「スーツの方が無難じゃないか」「カジュアルすぎてもダメなんですよね」。そんな戸惑いの声が多く上がっている。
面接時に「服装自由」と記載されていても、自分だけが浮いてしまうことを避けるために結局はスーツを選ぶ就活生は多い。
そんな中、「洋服の青山」を展開する青山商事は共創コミュニティである「シン・シゴト服ラボ」で「#きがえよう就活」プロジェクトを実施している。
「#きがえよう就活」プロジェクト
プロジェクトの第1弾は、「『服装自由』って本当に自由ですか?」。
「服装自由」が「不自由」を生んでいるのではないかといった疑問から、「学生と企業がお互いの顔が見える対話ができるように」という思いが込められている。
選考での服装指定を明確にし、服装を見える化する「#きがえよう就活」の取り組みにカルチュア・コンビニエンス・クラブ、日本たばこ産業(JT)、朝日新聞社が賛同し、服装に関する情報を掲載している。
「#きがえよう就活」プロジェクトは、元/現就活生(18卒〜25卒)3400人と採用担当者60人に独自調査を実施。
就活時に「服装自由」「軽装」「私服可」などの服選びで困ったことがあるかというアンケートに対し、困ったことがあると回答した就活生は88.8%。一方、新卒採用の際、「服装自由」「軽装」「私服可」と記載することで、就活生が困っていると思うかという質問に、78.1%の採用担当者が困っていると思うと回答した。
他にも、「服装」によって採用の評価が変わるかといったアンケートで、採用担当者の65.6%が評価は変わらないと回答。一方で、85.9%の就活生は「企業側の評価」は「服装」によって変わると思うと回答した。
就活時について、感じている事や思っていることに対しての自由回答形式の設問には、「『スーツでお越しください』と指定された方が楽」「真夏の就活でスーツを着ると、例えクールビズでもかなり暑いです」などの声が寄せられた。
また、寄せられた学生の声をテキストマイニングしたところ、「就活」「服装」「スーツ」「リクルートスーツ」が上位に入った。
就活生がいかに「服装自由」という言葉に迷いや戸惑いを感じているのかがよく分かるデータと言えそうだ。