人気漫画「遊☆戯☆王」の作者、高橋和希(本名:一雅)さんが亡くなったとNHKなどが報じた。60歳だった。沖縄県名護市の沖合で、スノーケリングの器具を装着して浮いている状態で見つかったという。このニュースに、海外からも次々と哀悼の声が上がっている。
「遊☆戯☆王」は1996年から週刊少年ジャンプで連載された人気漫画。作中に登場するカードゲーム「マジック&ウィザーズ」を模したカードが現実でも発売され、人気を博した。
■英語圏からも
Twitterでは、日本語のみならず英語圏からも追悼の声が上がった。
9万人のフォロワーを持つゲーム実況者の「Games Cege」さんは「遊戯王は私の少年時代にとってかけがえのない一部分。小学生の頃に漫画を読み、アニメを見て、そして今も引き出しの中にはカードがあるんだ。絶対的なレジェンド。失うのがあまりにも早い」と悼んだ。
YouTubeに100万人以上の登録者を抱え、遊戯王のゲーム実況動画も投稿する「rhyme」さんは「素晴らしい少年時代を、そして今でもやり続けるものをくれてありがとう」と感謝していた。
■中国ではトレンド1位に
中国でも作品の知名度は高く、漫画やアニメのファンも多い。2020年4月には中国大陸でのカードの発売が正式に開始されたほか、ネットを通じてカード対戦ができるモバイルゲーム「遊戯王デュエルリンクス」も2021年4月から配信されている。
高橋さんの訃報は一時、SNS・ウェイボーのトレンド1位に。作品を愛するファンからのコメントが相次いだ。
「高橋先生が作り出してくれた遊戯王に感謝しています。おかげさまでたくさん面白い人に出会え、昨日も新しいシリーズのカードについて討論したばかりです。今日訃報に接し、耐えきれません」
「大好きな作品の作者がなんの前触れもなく逝ってしまう。心のどこかが欠けたような感覚です」
「子供の頃は毎日が辛かった。だけど遊戯王が毎日を楽しくしてくれた。アニメも、カードも、忘れることができない思い出」
「中学生の頃から今までずっと、あなたが作り出した遊戯王が、退屈も、もがくような苦しみも消し去ってくれました」
SNSには、高橋さんの訃報が話題となることを忌避するようなコメントもある。7月7日は日中戦争の発端となった盧溝橋事件が起きた日で、中国では反日感情が高まるとされるからだ。
一方で、「私たちの敵は日本の軍国主義だけだと学校で習ったはずだ。日本人の死を悼んではならないなんて理解不能だ」「どこに怒りを向けるか、分別をつけるべきだよ。先生どうか安らかに」とする投稿もあった。