参議院議員選挙の長野選挙区で、立憲民主党の現職・杉尾秀哉氏の当選が確実になったとNHKなどが報じた。
この選挙区は自民党の新人、松山三四六(さんしろう)氏が杉尾氏と競っていたことから、全国でも屈指の選挙区の一つと言われていた。
松山氏をめぐっては選挙違反や有印公文書偽造にあたりかねない行為があったと週刊誌などが報道。「選挙後に取材する対応」するなどとしたことが批判を呼んでおり、得票に影響が出た可能性がある。
当選確実の見込みとなった杉尾氏は64歳。東京大学文学部を卒業後、TBSに入社し報道記者となる。報道番組キャスターや報道局社会部長を務めたあと、2016年の参院選に民進党(当時)・共産党・社民党の野党統一候補として出馬し、初当選を果たしていた。
長野選挙区は今回改選の杉尾氏と、2025年改選で、羽田孜元総理の次男である羽田次郎氏のいずれもが立憲民主党に所属。激戦区の一つと目され、公示翌日の6月23日に泉健太・代表が長野入りするなど力を入れてきた。
かたや敗れる見込みとなった自民党の新人、松山氏は51歳。2001年から地元のFM放送番組「346 GROOVE FRIDAY(通称:グルフラ)」のパーソナリティを務めるなど、県内では名の知られたご当地タレントだ。
長野選挙区は、新聞各社の情勢報道などでも接戦が伝えられてきた。そんななか、松山氏をめぐっては複数の週刊誌報道がなされ、SNSなどで批判の声が上がっていた。
このうち「文春オンライン」は親交の深い歌手の松山千春氏が選挙応援に訪れた際、無償で歌を披露したことが選挙違反に当たる可能性があると記事で指摘していた。さらに同誌は、松山氏が知り合いの女性を妊娠させた際、人工妊娠中絶書に偽名で署名していたとし、有印私文書偽造の疑いがあるともしていた。
また、デイリー新潮は松山氏が過去に自宅建設に関わる代金、およそ900万円を支払わず、裁判で敗訴していたと伝えていた。
松山氏は公式Twitterで、事務所からのコメントだとして「この度の報道に関しまして、選挙後の然るべきタイミングで取材対応したいと考えております。 ご支援頂いている全ての皆様には、重ねて心からお詫び申し上げます」と陳謝した。
これに対しても「なぜ選挙が終わってからなのか」と疑問を呈するコメントが相次いでいた。