美容部員の制服を自動車部品にする、化粧品業界初の取り組みが始まった。イヴ・サンローランなどのブランドを国内で展開する「日本ロレアル」が、CO2排出量を削減し、循環型社会経済への移行を後押しするために6月末からスタートした。
捨てられるはずだったものに新しい価値をプラスして価値を高めることを「アップサイクル」というが、今回の取り組みもその一つ。繊維専門商社のチクマとのコラボで実現した。
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日本ロレアルのプレスリリースによると、同社はこれまで、デザイン変更や退職などの理由により、使われなくなった美容部員の制服を焼却していたが、この取り組みにより全ての制服が自動車部品としてアップサイクルされる。
初年度は倉庫に在庫のある旧デザインの制服、約1700kgと退職した美容部員分の制服、約560kgがアップサイクルされる予定。この取り組みにより、2022年度は約9トン、それ以降は年間約2.2トンのCO2排出削減につながる。
今のところ対象となる美容部員のブランドは以下の6つ。
ランコム
イヴ・サンローラン・ボーテ
ヘレナ ルビンスタイン
キールズ
シュウ ウエムラ
ジョルジオ・アルマーニ
これ以外のブランドも今後参加予定だという。
■日本ロレアル副社長「制服が役目を終えた後、新しい形に生まれ変わり、社会へ貢献できるのは素晴らしいこと」
日本ロレアルのオリヴィエ・ラシェ副社長は以下のようにコメントしている。
「今回の試みにより、美容部員へサステナブルな取組みへの参加機会を提供できることを嬉しく思います。制服は、私たちのブランドの世界観をつくる重要な要素であり、お客様と私たちの大事な接点のひとつです。その制服が役目を終えた後、新しい形に生まれ変わり、社会へ貢献できるのは素晴らしいことです。私も美容部員も誇りに感じています」