ワシがエサにしようと捕獲したタカの赤ちゃんを、巣に持ち帰った後“養子”にして育てている珍しい姿が、カナダで撮影された。
CNNなどによると、ワシと赤ちゃんタカの様子が確認されたのは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州。ハクトウワシのペアが、タカの仲間アカオノスリの赤ちゃんを巣に迎え、自分たちの子ワシと一緒に育てている。
今となってはこの赤ちゃんはワシ一家の一員となっているが、もともとはワシのディナーになる可能性があった。
一家の巣を撮影しているカメラには6月初め、ハクトウワシがタカの赤ちゃんを巣に落とす様子が映っていた。
エサをねだって命拾い?
モントリオールのマギル大学名誉教授で、鳥類学者のデビッド・バード氏は、タカの赤ちゃんが巣にやってきたときに「上下に跳ねて、すぐにエサをねだり始めました。それで命拾いしたんです」と推察する。
CBCによると、野生生物保護団体Growlsのボランティアであるパム・マッカートニーさんは、映像をみていたとき赤ちゃんタカは間違いなく死んでしまったと思ったという。
だが驚いたことに、親子のワシはいずれも赤ちゃんタカを襲わなかった。その上、しばらくすると母ワシは他の子ワシと同じように赤ちゃんタカにもエサをやって世話をし始め、本当の家族になったようだ。
マッカートニーさんによると、親ワシは数週間前に2羽のヒナのうち1羽を失っており、この新しいタカがその代わりになっている可能性があるという。
バード氏は、そもそも捕獲時のワシの強力な爪で赤ちゃんタカが命を落とさなかったことに加え、タカにエサを与えるという選択をしたことに驚いていると話す。
「生きている間にこのような光景を見ることができるとは思ってもみませんでした。かなり珍しいことなんです」