アメリカのアーティスティックスイミングの選手が国際大会中に意識を失い、プールの底に沈んだ際、コーチによって劇的に救助される一幕がありました。
Peopleによると、6月22日にハンガリーのブダペストで開催された世界水泳選手権での出来事でした。
アニタ・アルバレス選手は、女子ソロ・フリーの演技を終えたところでプールの下方へと沈み始めました。
異変に気付いたコーチのアンドレア・フエンテスさんはすぐにプールに飛び込み、アルバレス選手のもとへと泳いでいきました。
水中カメラが、当時の劇的な瞬間を捉えていました。
フエンテスさんがアルバレス選手のもとへ泳いで近づき、体を抱き抱えて水面へと連れていく過程が写っています。その後別の水泳選手も加勢し、アルバレス選手は無事救助されました。命に別条はなく体調は安定しているといいます。
「練習では何度もあること」
その後企画されたオリンピックによるインスタライブで、フエンテスさんは「最も愛する一人を水中から引き上げ、彼女が呼吸するために必死になっていました」と、当時の状況を振り返りました。
「彼女がいつも通り最後のパートを演じたとき、彼女の足がいつもより少し青白くなっていると気づきました」
「演技が終わったとき、彼女は上に上がってくるのではなく下に降りていったんです...なのでこれは大丈夫じゃないと感じました」
フエンテスさんは、人が水中で気を失った際に対処できるよう訓練を受けていたといい、「私はライフガードなので、どうすればいいかはよく分かっていました」と話しています。
「私たちのスポーツでは、このようなことは初めてではありません。練習では何度もあることです」
USAアーティスティックスイミングもInstagramで、フエンテスさんのコメントを掲載。アルバレス選手は医師による診察を受け、現在は元気であると報告しました。
「マラソン、サイクリング、クロスカントリー......ある選手がゴールまでたどり着けず、他の選手が助けに向かう映像は、誰もが目にしたことがあるでしょう。私たちのスポーツも他のスポーツと同じで、プールの中で、限界に挑戦し、時には限界を見つけることもあります」
投稿の末尾には、アルバレス選手に対する応援メッセージへの感謝を述べました。
フエンテスさんは2004年から3回、スペイン代表としてオリンピックのシンクロ競技に出場し、4つのメダルを獲得しています。2013年に引退し、18年からはアメリカのシンクロナイズドスイミングチームのヘッドコーチを務めています。