参院選(6月22日公示、7月10日投開票)を前に、芸能人らが投票を呼びかける「VOICE PROJECT」の動画が6月22日、YouTubeなどに公開された。
2021年の衆院選では、小栗旬さんや菅田将暉さん、橋本環奈さんなどが出演し、大きな反響を呼んだ同プロジェクトの第2弾。
今回の動画では出演者は一新。長澤まさみさん、賀来賢人さん、池田エライザさん、北村匠海さん、小泉今日子さん、綾小路翔さん、りゅうちぇるさん、Charaさんなど、総勢26人の人気芸能人が投票を呼びかけている。
動画は、俳優を中心とした「Actor ver.」と、音楽や伝統文化など文化人を中心とした 「Culture ver.」の2本が発表された。
出演者はそれぞれ以下の通り(敬称略、五十音順)。
▼「Actor ver.」
池田エライザ、池松壮亮、伊藤英明、賀来賢人、北村匠海、高良健吾、鈴木福、⻑澤まさみ、夏木マリ、松重豊、松本まりか、ムロツヨシ、MEGUMI
▼「Culture ver.」
綾小路翔、井上咲楽、Awich、小泉今日子、Chara、塚本晋也、中村壱太郎、浜野健太、般若、松尾スズキ、ゆうこす、Licaxxx、りゅうちぇる
長澤まさみさん「正しい選択できなくても自分を卑下する必要ない」
「VOICE PROJECT」では、若い世代を中心に投票の大切さを伝え、投票するきっかけになることを目指し動画を制作。出演者が一人ずつ、投票や社会、未来への思いを自分の言葉で語り、「投票します」と宣言している。
「Actor ver.」では、池田エライザさんは「若者は関心がないと言われているけど、関心がある若者も実はたくさんいて」と、鈴木福さんは「いっぱい考えて、こうしたいと思ってるけど、言えない人たちもいっぱいいるだろうし」と、10〜20代の当事者として、投票への思いを明かした。
伊藤英明さんは「本当に恥ずかしいんですけど、成人して…あの、2、3度」と投票に行った経験が少ないことを率直に明かした上で、「だけど、大きく変えようと思うと大変だから、選挙に行くということだけも大きな一歩だと思う」と話した。
「本当に大事なことを話せないと、風通しがよくない社会になっちゃう」と訴えた松本まりかさんは、「これだけ若者の投票率が少ないんだから、これが増えた時、日本社会は絶対変わると思う」とも語る。
長澤まさみさんは投票権について「自分の人生を大切にするための1票」とコメント。「1回目から正しい選択ができなかったと自分を卑下する必要はない」と続けた。
俳優の榮倉奈々さんと結婚し、2児の父でもある賀来賢人さんは、「自分の子どもができて改めて思ったのは、その先の世代がどう変わるのかというのもすごく大事」と、社会の未来を見据えてコメント。
20代の北村匠海さんも、「大事なのは、今を生きる若い僕らの意思を変えること。意見を持つこと」だとし、「投票行ってるほうがかっこよくない?自分の意見を持ってる人のほうがかっこよくない?と常々思う」と明かした。
池松壮亮さんは、1票の重みについて「自分だけの権利」と表現。「選べないながらに、わからないながらに、それでも投票することに、この国の、この世界の未来の1歩があるような気がしています」と、投票が社会の未来に与える影響について話した。
「自分がいたおかげで、もしかしたら次の世代が楽しんでるかも」
「Culture ver.」では冒頭、般若さんや綾小路翔さんが以前は投票に行かなかった経験があることも明かした上で、意識がどう変わったか話している。
小泉今日子さんは「21世紀ってすごい!みたいな目線で未来を見てた」と子ども時代を振り返り、「放っておいたらその未来に行けると思ってた。ところが…。『ところが』なんですよね」とコメント。
1995年生まれのりゅうちぇるさんは「僕たちの世代って、どんなに変わっても、総理大臣が変わっても、日本って全然変わらないじゃんというのをずっと見てきた世代」だと分析。「投票行ったほうがいいよ、なんて言わないですね。それよりも、今こういうことが問題なんだって、って投票に行くきっかけづくり。まずは問いかけてみる」と、周囲の人との会話について語った。
「このVOICE PROJECTがあって、話しやすくなったと思いますよ、みんな。だって菅田将暉が言ってるんだもん」と笑いを交えて話した浜野健太さんは、「話せるというのは、『いや、俺は違う考え方だな』って言えるってこと」だと会話の大切さを訴えた。
Licaxxxさんは、「自分がいたおかげで、もしかしたら次の世代が楽しんでるかもしれない、よくなっているかもしれないって思ったら、そのモチベーションは結構楽しい」とメッセージを送っている。
「#わたしも投票します」
2021年に立ち上がったVOICE PROJECTは、「政党や企業に関わりのない、市⺠による自主制作プロジェクト」で、発起人は、映像作家や映像プロデューサーとして活動する菅原直太さん、大越毅彦さん、関根光才さんの3人。
YouTubeの概要欄では、「『一票じゃ、何も変わらない』と感じているかたも多いかもしれません。 けれど、これまでも、一票の集まりで、わたしたちの社会は決められてきました。Your Vote is Your Voice. あなたの一票は、あなたの声です」と発信。動画に共感したら、SNSで「#わたしも投票します」をつけてシェアし、投票に行くよう呼びかけている。
さらに、同プロジェクトによると、2021年の衆院選の動画を発表した時のリクエストを受けて、今回は出演者ごとのソロムービーも制作しているという。
動画だけではなく、投票についての理解を深めるためにウェブサイト(https://voice-project.jp/)も立ち上げ、音声SNSなどを使って投票を呼びかけていく。屋外メディアや映画館などでの動画上映も行う予定だ。
また、今後も持続的に動画を制作していくため、活動の支援を募るクラウドファンディング(https://motion-gallery.net/projects/voice-project)も行っている。