気象庁は10日(金)、最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。ラニーニャ現象は少なくとも夏の前半まで続くとみられ、秋まで継続する可能性もあります。
夏はラニーニャもしくはそれに近い状況となるため、全国的に暑くなる見込みです。
基準値に比べて海面水温は引き続き低い
5月の南米沖・エルニーニョ監視海域の海面水温は基準値に比べて1.0℃低くなりました。海洋表層の水温は西部で平年より高く、東部で平年より低くなっています。
また、日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、太平洋赤道域中部の貿易風(東風)は平年よりも強く、このような大気と海洋の状態はラニーニャ現象が継続していることを示しています。
秋までラニーニャ継続の確率は40%
太平洋赤道域の西部に見られる海洋表層の暖水は引き続き東に進み、太平洋赤道域東部の海面水温が一時的にやや上昇する見通しです。
エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果では、エルニーニョ監視海域の海面水温が、秋にかけて基準値よりも低いもしくは基準値に近い値で推移すると予測されています。
このため、夏の前半にかけてラニーニャ現象が続くとみられ、秋も40%の確率で継続する可能性があります。
夏は高気圧の張り出しが強まり暑い予想
夏の間はラニーニャ現象もしくはそれに近い状況が続くため、日本付近では暑さをもたらす太平洋高気圧の張り出しが北へ強まると予想されています。また、空の高い所を覆うチベット高気圧も平年より北側で強いと予想され、厳しい暑さになる可能性があります。
気象庁の3か月予報では6~8月の夏の気温が、北日本で平年より高く、東日本、西日本で平年並みか高い予想となっています。暑い夏となりますので、暑さへの備えは早めに進めておくようにしましょう。
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