ファーストフード大手「ケンタッキーフライドチキン」(KFC)のとある対応が、オーストラリアであわや政治問題になりかけた。
きっかけは5月末、同社はホームページ上で、「(レタスを使う商品を)一時的にレタスとキャベツを混ぜて提供する可能性があります」と告知したこと。
KFCの対応についてアルバニージー首相は6月9日、出演したラジオ番組で「これは危機的状況です。KFCが大好きな私の息子がこの話を聞いたら、きっとショックを受けるでしょう」と述べた。
さらに「キャベツとレタスは同じではない」とした上で、「間違っている」と断言。同日の閣議で、この問題を閣僚に提起すると笑いながら発言した。
KFCは、ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州の洪水の影響でレタスの供給網が寸断されたことが、今回の対応の主な要因としている。
BBCによると、同国ではこの洪水の影響でレタスが大量に不足しており、1玉10豪ドル(約950円)で流通する地域もあるという。
ファストフードの「欠品」「代替」、日本でも
ファストフード大手では、食材確保に苦戦する同様の例が相次いでいる。
CNNによると、2022年に入ってからオーストラリアのKFCでは、国内の一部の店舗で鶏肉を使ったメニューを一時的に出さないことにした。
日本では、北米からのポテトの輸入の遅れや不測の事態が重なり、マクドナルドの「マックフライポテト」のMサイズとLサイズが一時的に販売休止となった。
ハンバーガーチェーンの「バーガーキング・ジャパン」は4月末、フレンチフライが欠品する恐れがあるとして「じゃがいも不足で困っております。 どうか私たちを助けてください」と企業や団体に対して新たなサイドメニューの提案を募集。5月には「代替品として大体似ているベビースターを選んでいただけませんか」との呼びかけを始めた。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉