梅雨どきの強い味方がレインコートです。着用後の簡単なお手入れと、定期的な洗濯などで、悪臭の発生や撥水(はっすい)効果の低下を防ぐことができます。快適に使い続けるための方法をライオン株式会社お洗濯マイスターの大貫和泉さんに教えていただきます。
レインコートはお手入れが必要?
使ったレインコートをそのままにしておいたら、ちょっと臭ってしまった経験はないでしょうか。
「使用後の濡れたレインコートは、必ずしっかり乾かしてからしまいましょう。水滴が残っていると、臭いやカビのもとになってしまうことがあります。また、ナイロンなどシワがつきやすい素材のレインコートも多いので、お手入れ時にも注意が必要です。
使うごとの簡単なお手入れ方法や汚れが気になるときの洗い方と注意点をご紹介しましょう」(大貫さん)
【使用後のお手入れ】
(1)タオル等で全体の水滴を拭き取る
(2)形を整えて陰干し
(3)撥水スプレーを噴霧(撥水効果が落ちてきたら)
「泥がはねてしまったり、襟元などの汗や皮脂が気になるときは、(1)のときに拭き取ります。ぬるま湯や、薄めた洗剤液にタオルを浸し、固く絞って拭き、汚れを落とします。洗剤液を使った後は水拭きします。乾燥させるときは、生地が傷まないよう直射日光は避けましょう。
また、撥水効果が落ちてきたら、完全に乾いた状態の時に表面がしっとり濡れる程度に撥水スプレーを噴霧して、撥水効果をアップさせます。特に、肩や裾などの濡れやすい部分は撥水効果が落ちやすいので、忘れずにスプレーしましょう」(大貫さん)
レインコートの洗い方
毎回お手入れしていても、臭いや汚れが気になってくることもあります。特に、ナイロン製など透湿防水素材のものは、上着感覚で使うので清潔に保ちたいものです。
「洗濯する前に、タグなどの洗濯表示で、水洗いできるかどうか確認しましょう。おしゃれ着用洗剤を使って、手洗いか洗濯機のおしゃれ着コースでやさしく洗うのがおすすめです」(大貫さん)
【レインコートの洗い方(水洗いできるもの)】
(1)目立つ汚れに前処理をして、洗濯ネットに入れる
襟元や袖などの部分汚れには、あらかじめ「部分洗い用洗剤」か洗剤の原液をつけておく。絡まりや生地の痛みを防ぐため、たたんで洗濯ネットに入れる(洗濯機の場合)
(2)洗濯表示に従ってやさしく洗う(手洗い、洗濯機)
洗濯表示が「手洗いマーク」ならば、手洗いする。「洗濯おけに二本線のマーク」であれば、洗濯機のおしゃれ着コースで(「手洗いコース」「ドライコース」「おうちクリーニングコース」など洗濯機の機種によって名前が異なります)
(3)短時間で脱水
脱水は、シワがつかないよう短時間で。特に、薄手のナイロンなど合成繊維のレインコートは、シワがつきやすいので、水がたれ落ちない程度の短い時間に
(4)形を整え、陰干し
風通しのよい場所で陰干しにする。直射日光は当てない
「通水性のないレインコートは手洗いします。洗面器や洗濯おけに洗剤液を作り、前後左右に振り洗いするか、水の中で生地をふわっと広げたり中央に寄せたりするアコーディオン洗いします。水を変え十分にすすいだら、バスタオルなどで水分を取り、陰干しします。脱水機は使いません」(大貫さん)
撥水スプレーの使い方
撥水スプレーを使う時にはいくつかの注意点があります。
「撥水スプレーは、レインコートが完全に乾いた状態で、風通しのよい屋外で使います。直接吸い込むと危険なので、風向きにも注意して使用しましょう。
使う時はレインコートから約20cm離して、表面がしっとり濡れるまでスプレーします。その後、30分以上干して、完全に乾します。また、事前に目立たない部分で色落ちなどしないか試しましょう」(大貫さん)
レインコートを整えたら、雨ニモ負ケズお出かけしましょう!
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参考資料など
取材協力/ライオン株式会社(生活情報サイト「Lidea」)