最愛の父を亡くした島藤ゆかりさん。自分を褒めてくれる父の優しい性格を思い出しながら、父からたくさんの愛情を注がれていたことに気づきます。
父に対して伝えきれなかった感謝の思いを届けたいーー。
そんな体験を描いた漫画がTwitter上で話題になっています。
作者は漫画家で『隣人は鬼畜上司~溺愛マンション暮らし~』の著者、島藤ゆかり(@todoyukari)さん。5月28日に投稿した「父へ」には、1万3千件を超える「いいね」がつきました。
ずっと感謝していたのに
父が亡くなり、気持ちの整理がつかないまま遺影を作っていた島藤ゆかりさん。呆然としながらも、「ちょっと髪の毛増やしたよって言ったら笑うかな」と想像してみたり、父が生きていた頃の思い出に浸ったりします。
いつも自分の絵を褒めてくれたこと、毎年スキーやお祭りに連れて行ってくれたこと…。
思い出すのは、父にしてもらったことばかりだったことに気付かされます。
同時に、「私の手料理を少しでもいっぱい食べさせてあげればー。」「どうしてあんなに小言ばかり言っちゃったんだろ。」と父にしてあげられなかったことに対する後悔が募っていきます。
歌が好きで、酒が好きで、料理が好きで、「家族」が大好きだったお父さんに感謝の気持ちを伝えたい。
「今までずっとずっとありがとう」
漫画を通して天国で見守るお父さんに感謝を伝えました。
漫画の下に、島藤さんとの一問一答が続きます。
島藤ゆかりさんとの一問一答
ハフポスト日本版は、この作品を投稿した島藤ゆかりさんに取材をしました。以下は一問一答です。
ーーなぜ、お父様のエピソードを作品にしようと思ったのですか?
葬儀のために集まってくれることになった遠方に住む親族に、どうしても近年の父の様子と私の思いを伝えたくて、文字だけの状態のものを葬儀の時に渡したんです。そうしたら泣いて喜んでくださったので、絵を入れてちゃんと作り直した漫画になります。なので、漫画としてはとてもシンプルで、手紙のような内容になりました
ーーこの作品を通して、読者にどのようなことを伝えたいですか?また、お父様にどのような気持ちを伝えたいですか?
後悔のないように大切な人に接していって欲しいとお伝えしたいです。父には、 大切に育ててくれてありがとう、お父さんの子に生まれてよかったよ、ずっと感謝していたのに、ちゃんと伝えることもできずにごめんねと伝えたいです
ーーもしお父様が生きていた頃に戻れるなら、どんなことをしてあげたいですか?
自分の手料理をたくさん食べさせてあげて、一緒にお酒を飲んでカラオケで一緒に歌を歌いまくりたいです
ーー亡くなったお父様のことを作品にすることで、漫画や家族への思いなどについてどのような心境の変化がありましたか?
絵や文字にすることによって父親に対する感謝の気持ちを再確認できたことが嬉しかったです。今後も家族との思い出はどんどん形にしていこうと思いました
ーー今回の作品には1万2千件を超える「いいね!」が付くなど大きな反響が寄せられていますが、どのように感じていらっしゃいますか?
それぞれの故人様への思いに悔いがあったり、祈りがあったりすることに胸を打たれました。こうして漫画で思いを綴ることによって沢山の方の思いに触れることができて嬉しいです