今年も6月に入り、梅雨が近づいてきました。ジメジメとした季節になり、多くの方に好まれないあいつの活動が活発になる時季になります。そう、ゴキブリです。
ウェザーニュースでは「今年、家でゴキブリを見ましたか?」というアンケート調査を6月2日~3日にかけて行いました。その結果、見た人の割合は20%を超えており、5人に1人の方が目撃していることがわかりました。
都道府県ごとの割合を見てみると、気温が高い西日本の方がゴキブリの活動が活発になっていて、目撃割合の高いエリアが多くなっています。もっとも割合の高かった高知県では51%と半数以上の方が目にしている状況でした。
そこで、ゴキブリにまつわる素朴な疑問を害虫退治のプロである、虫ケア用品大手のアース製薬に訊いてみました。ゴキブリ対策に落とし穴があるのでしょうか?
餌を感知できるのは50cm〜2mまで?
ゴキブリについて、ぞっとする噂を耳にしました。「駆除のために毒餌剤を設置すると、かえってゴキブリを家におびき寄せてしまう」というものです。
「確かに、毒餌剤にはゴキブリの好みを追求して作った誘引剤が配合されていて、ゴキブリをよく引き寄せます。また、一般家庭に出ることの多いクロゴキブリは半屋外性で、家の中と外を行き来します。しかし、毒餌剤で家にゴキブリがおびき寄せられるというのは、ゴキブリについて少し誤解があるようです。
実は、ゴキブリは餌を見つける能力がそれほど高くありません。見つけられるのは、自分からせいぜい50cm〜2mくらいまで。家の外から餌を感知して侵入することはないでしょう」
なるほど、これで安心してホウ酸団子などの毒餌剤を使うことができそうです。ところが、アース製薬は「せっかくの対策が十分効果を発揮していない可能性がある」と続けます。対策グッズは、ゴキブリの生態に合わせて使う必要があるといいます。
駆除効果を上げるポイントは
毒餌剤の正しい使い方を教えていただきましょう。
「毒餌剤は、ゴキブリの死骸を見ることなく、巣ごと駆除できる優れた方法です。食べてもすぐに死ぬものではなく、ほとんどのゴキブリが巣や物陰に移動して死にます。さらに、毒餌剤を食べたゴキブリの吐しゃ物や死がいをその仲間が食べることによって、付近にいる他のゴキブリも駆除できます」
気をつけたいのが、設置する場所と数だといいます。
「餌を感知する能力が高くないゴキブリでも、見つけられるようにしなくてはなりません。
適しているのは、ゴキブリが寄り付きそうな場所です。冷蔵庫の下やシンク下、食器棚の引き出しなど、キッチン周りは多めに設置します。洗濯機の側など水周り、移動経路になる壁、集まりやすい部屋の隅や狭い隙間などに置くのもよいでしょう。
毒餌剤の数もポイントです。使用上の注意には、『10平方メートルあたり2~4個』などとありますが、接触率を高めるため多く設置する必要があります」
家の外から侵入してくるゴキブリ対策として、家の外に設置するのも有効だといいます。
「雨などでも効果が薄れにくい、『屋外用』を選びましょう。特にエアコン室外機や植木鉢の周囲が効果的です。両面テープで貼り付けてもよいです。
効果持続期間は1年程度と長めですが、期限の切れたものは交換するのも忘れないようにしましょう。
また、最近では天然成分で忌避できるものや、必要な時に必要な分だけ薬剤をプッシュするタイプのものもあります。ご家庭にあった商品の使い分けもおすすめです」
梅雨から夏にかけてはゴキブリが出やすくなります。早めの対策で、心配なく過ごしたいものです。
※毒餌剤、ホウ酸団子の成分、効果持続期間、使用上の注意については、お使いのもので確認してください。
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