慣れない育児の中で心身ともにボロボロだった、あららぎ菜名さん。夫くんが育休を取り家事をする中、寝る前に思い出すのは付き合っていた頃に夫くんがかけてくれたあの言葉ーー。
そんな体験を描いた5ページのマンガがTwitter上で話題を呼んでいます。
作者は、漫画家で『東京藝大ものがたり』の著者である、あららぎ菜名( @Araragi_Nana_23 )さん。5月22日に「あなたにありがとう」という全5ページのマンガを投稿し、1万7千件の「いいね」が寄せられました。
■私を救ってくれた言葉
育休を取り家事をこなす夫くん。お子さんの夜泣きが始まった時も、仕事で遅くまで作業していた菜名さんに「夜の担当は俺がするから菜名さんは寝てて」と言います。
そんな時思い出すのは2人が付き合っていた頃。
「私...毎日死ぬことを考えているんだ」と打ち明ける菜名さんに、「俺といたら毎日楽しくて”生きたい”と思うようになるから」と約束する夫くん。
その言葉に救われた菜名さん。漫画を通して夫くんに感謝を伝えました。
マンガの下に作者との一問一答が続きます。
■あららぎ菜名さんとの一問一答
ハフポスト日本版は、この作品を投稿したあららぎ菜名さんに取材をしました。以下は一問一答です。
ーーなぜ、このエピソードを漫画にしようと思ったのでしょうか?
私にとって夫くんへの人生で最も感謝した出来事で、いつか漫画にしたいと思っていました。当時、うつで苦しんでいた私には太陽のような言葉でした。普段言葉でも感謝の気持ちは伝えているのですが、漫画で描いたら夫くんが喜んでくれると思って今回描くに至りました。
ーー差し支えなければ、「夫くん」との出会いのきっかけを教えてください。
私と夫くんは大学は違いましたが、同じ芸術系でした。各大学で芸術系のアルバイトを募集していたので応募してふたりとも採用されそこで出会いました。アルバイト中に漫画やゲーム、映画の話で盛り上がったので「なんだか気の合う人だ」と思ったのがきっかけです。
ーー「毎日楽しくて”生きたい”と思うようになるから」という夫くんの言葉を聞いた時のお気持ちを教えてください。
こんな言葉を言える人は少女漫画の世界にしかいないと思ってたのに本当にいることに驚きました。誠実な人だったので「嘘じゃないんだ」と信じることができました。
ーーどんな時にその言葉はあららぎさんを救ってくれたと感じますか?
日々の時間を家族で過ごしている時です。
ーーもし毎日死ぬことを考えていた頃に戻れるとしたら、昔の自分に何と言ってあげたいですか?
「頑張りが通じないことはもちろんあるけど、それは必ずあなたの糧になる。あなたが救われたように、あなたも誰かを救うことができる」
ーー漫画には1.6万件を超える「いいね」が付くなど大きな反響が寄せられていますが、どのように感じていらっしゃいますか?
(夫のことを)「いいひとだ」と言ってもらえて嬉しいですし、同じようにパートナーに救われた方のコメントもあり胸の奥がじわっとしました。 反対に「理解ある彼ってやつでしょ」のようにネガティブな意味にとられたものもあり少し悲しかったです。 でも夫くんはたくさんの方があったかいコメントをくれたことに喜んでくれたのでよかったです。