後藤茂之厚生労働大臣は5月20日、新型コロナウイルスの感染対策をめぐる「マスクの着用」について、政府の見解を発表した。
後藤氏は会見で、「基本的な感染対策としてのマスク着用の位置づけを何ら変更するものではない」としつつも、「身体的な距離が確保できないが、会話をほとんど行わない場合のマスク着用の考え方を明確化する」などと述べ、屋外でのマスク着用が必ずしも必要でない場合や、子どものマスク着用をめぐる政府としての見解を示した。
後藤氏が明らかにした見解は次の通り。
▼屋外
「マスク着用は必要ない」
・ランニングなど離れて行う運動や、鬼ごっこのような密にならない外遊びなど、屋外で2メートル以上を目安として他者との距離が確保できる場合
・徒歩での通勤など屋外で人とすれ違うことはあっても、会話はほとんど行わない場合
「マスク着用を推奨」
・近い距離で会話をするような場合
▼屋内
「マスク着用は必要ない」
・他者との距離が確保できていて、会話がほとんどない場合
「マスク着用を推奨」
・他者との距離が確保できていて、会話を行う場合
・距離が確保できない場合で、会話を行う場合
・通勤電車など、距離が確保できない場合で、会話をほとんど行わないとき
▼子どものマスク着用
・学校での生活においても、上記の考え方に沿って対応をお願いする
・2歳未満についてはマスク着用をすすめない
・保育所などでのマスクの着用は、個々の発達の状況や、体調などを踏まえる必要があることから、他者との距離に関わらずマスク着用を一律には求めない
・施設内に感染者が生じている場合などにおいては、施設管理者などの判断により可能な範囲内でマスク着用を求めることは考えられる(マスク着用を無理強いすることにならないように担当部局から留意点を周知させていく)
後藤氏はまた、こうしたマスク着用に関する考え方についてリーフレットを作成し、国民への周知を進める考えを示した。
マスク着用をめぐっては、新型コロナウイルス感染症対策を厚労省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」が5月19日、「不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続していただくことが必要」とした上で、「屋外で周囲の人と距離が十分に確保できるような場面や、屋外で周囲との距離が十分に取れない場面でも会話が少ないようであれば、これまでどおり、マスク着用は必ずしも必要ない」などとする見解をまとめていた。