2022年4月に改正育児・介護休業法が施行された。「男性の育児休業取得」を促すための枠組みが創設されるなど休業取得に関する支援項目が盛り込まれた。
政府は2025年までに男性育休取得率を30%とすることを目標を掲げている。
放送業界では番組の進行を担う男性アナウンサーが育休を取得するケースが出てきている。だが、取得期間は放送局や個人によって様々なようだ。
TBS国山アナ「3週間という期間ですが」
夜の報道番組『news23』でキャスターを務めるTBSの国山ハセンアナは5月7日、自身のTwitterで「3週間という期間ですが育児のための、休暇を取得します。育休です。#news23 には月末に復帰します、引き続き宜しくお願い致します」と報告した。
この報告に対し、Twitterでは「初めてのことで、いろいろと大変かと思いますが、応援してます」「育休取得男性のロールモデルになることを期待します」などと激励の声が寄せられていた。
一方で、「3週間では短い」と期間に言及するコメントもあった。
国山アナは同日インスタグラムで「息子、初予防接種。私、初抱っこ紐」とつづり、育児休業取得後初めての写真を公開していた。
民放放送局の男性アナウンサーが育休を取得するケースはいくつか出てきているが、期間はそれぞれの放送局や個人で異なるようだ。
アナウンサーはいわゆる“帯番組”を担当していることで決まった時間が拘束されたり、一方では、担当番組によって働く時間が日毎に異なったりする不規則な形で勤務する場合がある。
そのような中で、国山アナと同じTBSの蓮見孝之アナは3週間、テレビ朝日の板倉朋希アナは1ヶ月、フジテレビの榎並大二郎アナは2週間の育休を取得。一方、テレビ東京の原田修佑アナは3か月間にわたって取得したという。
「会社は回るけど、家庭は回らない」
第3子が誕生した際に3週間の育休を取得したというTBSの蓮見アナは、厚生労働省が2022年3月に開いたイベントで「会社は回りそうだけど、家庭は回らなさそうだとわかった」ときっかけについて言及していた。
「長男、次男が誕生した時には育休を取得しようということすら、正直、想像もしていませんでした」と明かした上で、「会社の方は同じアナウンサーという仲間がいますので、連携が取れさえすれば会社は回りそうだと。ただ、家庭は回らなさそうだということで(育休)を取ってみよう」と話した。
また、テレビ朝日の板倉アナは2月に開かれた別のイベントで「分刻みとはいかないが、座ることもできない。これやりながら、次はあれしなきゃこれしなきゃと常に何かに追われている感じ。こんなに家事育児が大変なものなのかと思い知らされました」と育休の日々を振り返っていた。
3月のイベントに出席したワーク・ライフバランスの小室淑恵社長は、出産後の女性が「産後うつ」になりやすい期間について触れた上で、「男性育休(の取得)というのは、産後の妻と子どもの命、2人分の命を守る役割」があると訴えていた。
男性育休、10月1日から何が変わる?
育児・介護休業法は3段階で施行されることになっている。2022年10月1日からは「産後パパ育休(出生時育児休業)」の制度が創設される。
育休とは別に取得することができ、子の出生後8週間以内に最長で4週間取得することが可能となる。