春本番の暖かさとなる日もあり、そろそろ気になり出すのがイヤな害虫です。特に、コバエ、ゴキブリ、アリなどは、油断するとあっという間に増えてしまいます。
ウェザーニュースが実施したアンケートでは、3月中旬時点で今年アリを見た人の割合は全体の16%でした。まだ見ていない人の方が圧倒的に多いようですが、地域別に見ると西日本から徐々にアリが活発になりつつあることが分かります。
本格的な活動時期になる前に“害虫のプロ”アース製薬に、今やっておきたい対策を教えていただきます。
あちこちで発生!? コバエ
コバエは、どこで発生しているのかも分からず、いつの間にか家の中に侵入しており、うっとうしいものです。
「コバエとは、ショウジョウバエやノミバエ、キノコバエ、チョウバエなど、小さいハエの総称です。種類によって発生する場所は異なり、春から秋の暖かい時期に繁殖しやすいため、これから注意が必要です」
特に、キッチンの生ゴミ、排水まわり、植木鉢など注意が必要だといいます。
「キッチンで見かけることが多いのが、ショウジョウバエとノミバエです。ショウジョウバエは2〜3.5mm、ノミバエは1〜5mmと小さく、網戸や換気口などのちょっとした隙間から侵入し、キッチンの生ゴミなどに卵を産みつけ増えます。
バスルームや洗面所も、排水口周りにチョウバエが発生しやすいので、こまめに掃除しましょう」
リビングなどでも気をつけたい場所があります。
「植木鉢近くには、観葉植物や腐葉土にキノコバエが発生します。観葉植物のある部屋を快適な空間に保ちましょう」
また、暖かくなると窓を開けるようになるので、網戸や窓ガラス用のスプレータイプの虫ケア用品を吹きつけておきます。ショウジョウバエなどの網戸からの侵入を予防できます。
ゴキブリはダンボールにも注意
ゴキブリも、春に活動が目立ってくるといいます。
「一般家庭でよく見かけるクロゴキブリは、冬に屋外で休眠していた個体は春になると活動を始めます。クロゴキブリは家の中と外を行き来するので、エサとなる食べ残しや生ゴミ、流しの水分などの始末に気をつけましょう。
侵入経路となる換気口、網戸やドアの隙間、排水口、ベランダや廊下の排水パイプ付近には毒餌剤やスプレータイプの虫ケア用品を使うと効果的です。
また、エアコンのドレンホース(排水ホース)からゴキブリが侵入することもあるのです。暖かくなって冬の役目を終えたエアコンは、専用の防虫キャップを使ってドレンホースからの侵入を防ぎましょう」
その他に見落としやすい侵入経路として、ダンボールがあります。
「実は、ダンボールの隙間には、ゴキブリの卵やまだ幼い個体が潜んでいることがあるのです。春は、引越しや宅配などでダンボールを使う機会が増えます。ベランダなどに保管せずに、すみやかに片付けることをお勧めします」
“退治しきれない”アリ対策
家の周囲で見かけやすいアリは、冬は巣の中や石の裏などで静かに過ごし、春になると外に出始めます。
「春から初夏にかけては女王アリが卵を生み続け、1〜2ヵ月で卵から幼虫、サナギを経て成虫へと成長します。これからアリはどんどん増えて、活発に活動します。
まずは、エサとなる食べ物や生ゴミ放置しないことが大切です。家のなかで見つけたら速効性のあるアリ用の虫ケア用品を。待ち伏せ効果のあるものをサッシやドアの隙間などに使って、侵入を防ぐこともできます。
ただ、巣の外にいるのは働きアリの一部なので、それだけを始末しても巣から代わりのアリが出てきます。発生を防ぐには、巣ごと退治できるタイプの毒餌剤もお勧めです」
できれば虫には屋外で活動しておいて欲しいもの。本格活動する前に、誘引するものを減らしたり、侵入しないように対策をして、家の中で遭遇しないようにしたいものです。
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