放送作家や作詞家、プロデューサーとして幅広く活躍する秋元康さんが3月8日、テレビ朝日系の情報番組『モーニングショー』に出演し、自身が手掛けた乃木坂46の楽曲を引き合いに「無視されることは一番の暴力」などと語った。
■秋元康さんが詞にこだわる理由
秋元さんのインタビューは元乃木坂46のメンバーで現在はテレビ朝日アナウンサーの斎藤ちはるさんの対談形式で行われた。
昭和、平成そして令和と、これまで6000曲以上の楽曲を手がけた秋元さん。「なぜ63歳に10代のアイドルの歌詞が書けるんですか?と質問されるんですけど」と切り出すと、その理由は「(自分が)変わっていないからだと思う」と自らを分析した。
斎藤アナが乃木坂46のメンバーだった時代に「MVの撮影中やレコーディングで歌詞が変わることがあった」と当時を振り返りながらその理由を問うと、秋元さんは「そうなんです。悪いクセですよね」と認めた。
その上で、「声に出して(音として)出た時にどう聞こえるかがすごく重要だと思うんですよ。僕が伝えたいことが違う感じのニュアンスで伝わってしまいそうだなと思うとまた手直しして」と自身の考えを述べ、「最後の最後まで諦めないというか直しますね」と詞へのこだわりについて語った。
■「無視されるというのは一番の暴力」。乃木坂46の曲を引き合いに語ったこと
秋元さんはインタビューで乃木坂46の『君の名は希望』の歌詞についても言及した。同曲はグループの5枚目のシングルで、ファンから根強い人気を誇る楽曲。SNSには「聴くと泣ける」との声も改めて寄せられた。
この曲に登場する「透明人間」という歌詞を引き合いに、次のように自身の考えを述べた。
「一番つらいのは存在がなくなることじゃないかなと思う。つまり無視されるというのは一番の暴力だと思うんですよね。嫌いという存在さえも認めてくれなくなった時に、自分の存在に気付いてくれる人がいたらその人は希望なんだろうなと思う」
身体的な暴力や言葉の暴力・誹謗中傷など人が誰かを傷つける手段は様々だが、秋元さんは誰かに「無視されること」の辛さを訴えた。
楽曲の歌詞への評価も高い乃木坂46。秋元さんは他にも10枚目のシングル『何度目の青空か』の歌詞にも触れ、僕の(曲の)テーマは「当たり前の日常にすごい意味があるんだということ(を伝えること)」と語っていた。